「中国が侵略してきた!」台湾メディアが誤報で謝罪
台湾のメディアが、中国軍による侵略が始まったと報じてしまい、その後謝罪した。
「中国の誘導ミサイルが着弾」
台北に本社を置く中国電視公司(CTS)は4月20日、「新北市、(中国)共産軍の誘導ミサイルが着弾」、「台北港で船舶が爆発、施設や船舶が破損」などのニュース速報を画面に流し、警鐘を鳴らしたという。
また「共産党の中国が頻繁に戦争準備を行い、総統が緊急命令を出した」や「戦争勃発の可能性、新北市が合同緊急指揮統制センターを開設」などの警報も流されたそうだ。
しかしこれらは誤報であり、その後CTSは「公衆パニックを引き起こした」として謝罪した。
パニックなどは起きていない
CTSによれば、新北市の消防署から委託された防災訓練の内容を、スタッフが誤って流したことが原因だという。
その上で声明を発表し、「この重大な欠陥により、一般市民がパニックに陥り、関連部署にご迷惑をかけたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
この誤報についてSNS上では怒りや軽蔑のコメントもあったが、20日の朝、台北の街で大規模なパニックが発生した様子はなかったという。
ただしCTSは複数のチャンネルで訂正と謝罪を行い、内部調査を開始した後、責任者を「厳しく罰する」と報告したそうだ。
台湾への圧力を強めている中国
中国は、民主主義の台湾を自国の領土の一部とみなしており、必要であれば、いつか武力で奪還すると考えている。
また2016年に蔡英文総統が就任して以来、台湾は中国の領土の一部ではなく、自身を主権国家と見なしてきたため、中国政府は台湾への圧力を強めてきた。
その妨害行為はこの1年でかなり増え、中国の戦闘機などがほぼ毎日、台湾の防空識別圏を突破している。
昨年、台湾は969回の中国軍機による領空侵犯を記録しており、これは2020年の約380回の2倍以上で、台湾空軍の出撃回数は今年最初の4カ月間で約300回に達しているという。
そして今回、ロシアがウクライナへの侵略を開始したことを受け、台湾では中国も侵略してくるかもしれないという懸念が高まっていたそうだ。(了)
出典元:CBS:Taiwan TV station apologizes after mistakenly saying China was invading the island(4/20)