フロリダ州の海底で、19世紀の病院の跡と墓石を発見
アメリカ・フロリダ州で、水中墓地と病院の遺構が発見された。
黄熱病患者の検疫所と墓地
それらが見つかったのは、フロリダ州キーウェスト近郊のドライ・トートゥガス国立公園にある、水没した島とされている。
アメリカ国立公園局によると、見つかった病院は19世紀、1890年から1900年にかけて黄熱病患者の検疫所と墓地として使用されていたという。
また近くにあったジェファーソン砦に駐留していたアメリカ軍兵士を中心に、数十人がこの墓地に埋葬された可能性があり、民間人が埋葬されていたケースもあったと考えられている。
墓石には死者の名前が刻まれる
アメリカ国立公園局によれば、現在確認されている墓は1つだけ。
水中墓地にある墓石には、1861年11月5日にジェファーソン砦で作業中に死亡した、ジョン・グリアー氏の名前が刻まれているという。
グリアー氏の墓には、ジェファーソン砦の1階を建設するのに使われたのと同じ材料である、「硬砂岩」の大きな石板が置かれていたそうだ。
ジェファーソン砦は、南北戦争中に軍の刑務所として使用されたことで知られ、砦を囲む島や海域は、海軍の捕鯨基地、灯台基地、海軍病院、検疫施設、港、軍事訓練場としても使われていたという。
しかし1860年代から1870年代にかけて、この島で大規模な病気が蔓延し、何人もの死者が発生。そのため近隣のいくつかの島に検疫病院として、小さな建造物が設置されたそうだ。
この調査は2022年8月に複数の団体によって行われ、今年の5月1日に正式にリリースが発表された。(了)
出典元:ABC News:Divers find underwater hospital, cemetery off coast of Key West(5/3)