イスラエル政府が「アル・ジャジーラ」の事務所を閉鎖、放送機器も没収

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イスラエル政府は、国内にある中東の衛星テレビ局「アル・ジャジーラ」の事務所を閉鎖させ、放送機器などを没収した。

「安全保障に対する脅威」

イスラエル政府は5月5日、「アル・ジャジーラ」の国内での活動を停止させるため、新たな法律に関する投票を行い、可決させたという。

その後、イスラエル警察は東エルサレムにある「アル・ジャジーラ」の事務所を捜索。放送機器を没収し、事務所を閉鎖させた。

この法律は閣僚らの満場一致で決定され、その後ネタニヤフ首相はSNSに「扇動的なチャンネルのアル・ジャジーラは、イスラエルで閉鎖される」と投稿したそうだ。

またイスラエルの政府関係者も、「アル・ジャジーラが国家安全保障に対する脅威であるため、この措置は正当化される」と述べたという。

Al Jazeera condemned Israel’s decision to shut down its network and raid its offices, stating that the channel ‘affirms its right to continue to provide news and information to its global audiences’ ⤵️ pic.twitter.com/iTYa6W0e97

— Al Jazeera English (@AJEnglish) May 5, 2024

「国際法および人道法に違反」と非難

カタールに本拠地がある「アル・ジャジーラ」は、ガザ地区で行われてきたイスラエル軍の攻撃や、人道状況の悪化などを、毎日報道し続けてきた。

イスラエル側は以前から、「アル・ジャジーラ」が伝える内容は偏向報道だと非難。また記者の中には「ハマス」がいるとも主張してきた。

そして「アル・ジャジーラ」も以前から、イスラエル軍がガザ地区で取材を続ける同局の多くのジャーナリストを標的にし、殺害していると非難してきた。

今回の事務所閉鎖についても「アル・ジャジーラ」側は「人権と情報にアクセスする基本的な権利を侵害するこの犯罪行為を、強く非難する」と声明を発表。「イスラエルの報道の自由への抑圧は、国際法および人道法に違反している」と警告した。

またフランスに拠点を置く「国境なき記者団」も「ガザ地区での紛争報道を理由に、テレビネットワークを検閲する自由を脅かす法案を強く非難する」と述べている。

停戦交渉の行方は？

エジプトのカイロでは、2日間に及ぶガザ地区での「停戦交渉」が行われていたが、5月5日、「ハマス」側は代表団がカイロを離れ、カタールのドーハに向けて出発すると明らかにした。

「ハマス」側はこの交渉において、カタールやエジプトの調停者と綿密かつ真剣な議論を行ったとしているが、交渉の先行きは不透明となっている。

一方、ガザ地区では5月5日もイスラエル軍の攻撃が行われ、ガザ市南部の東側や中央エリアにある住宅が攻撃され、少なくとも10人のパレスチナ人が死亡。南部のラファにある住宅への攻撃でも、少なくとも9人のパレスチナ人が死亡したという。（最新の情報では、21人の死亡が確認されている）（了）

انتشال شهداء ومصابين من منزل تعرض للقصف الإسرائيلي في رفح جنوب قطاع غزة #فيديو #حرب_غزة pic.twitter.com/gL3GVELTR3

— الجزيرة فلسطين (@AJA_Palestine) May 5, 2024