ガザ地区で18人が死亡、国際司法裁判所でイスラエルへの批判が相次ぐ

X_Al Jazeera English

ガザ地区では5月1日も、イスラエル軍の攻撃により、数多くのパレスチナ人が殺害された。

南部のハンユニスでは8人が死亡

パレスチナの「Wafa」通信によれば5月1日、ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプでイスラエル軍による空爆が行われ、子供1人が死亡、2人が負傷したという。

また北部のガザ市にあるShujayea地区でも、イスラエル軍の無人機攻撃により、2人が死亡。犠牲者の中には、子供が含まれていたそうだ。

ガザ地区中部のDeir el-Balahでも、無人機が住宅を攻撃し、少なくとも1人が死亡。十数人が負傷した。

ガザ地区南部のハンユニスでも1日、イスラエル軍が広範囲に攻撃を続け、住宅への空爆で少なくとも8人のパレスチナ人が殺害された。

ガザ地区の保健当局によれば、5月1日には過去24時間で、イスラエル軍の攻撃により少なくとも18人のパレスチナ人が死亡したという。

またヨルダン川西岸地区北部のNablus県の町、Beitaでもイスラエル軍の襲撃により、1人のパレスチナ人が銃で撃たれ、死亡した。殺害されたのは、29歳の男性とされている。

「ジェノサイドを継続している」

国連の主要機関である国際司法裁判所（ICJ）では現在、ガザ地区やヨルダン川西岸地区におけるイスラエルの人道的義務に関する議論が行われ、勧告を行うために各国からヒアリングを行っている。

この審理は4月28日から5日間行われ、国際司法裁判所の15人の判事で構成される審理部が、少なくとも40カ国から意見を聞くことになっている。

4日目の5月1日には、カタールの外交官であるMutlaq al-Qahtan氏が発言し、まずイスラエルがガザ地区で「パレスチナ人に対する大量虐殺（ジェノサイド）戦争」を継続し、ヨルダン川西岸地区における入植活動を強化していると指摘。イスラエルが「命を救う」人道支援物資の搬入を阻止し続けているため、ガザ地区のパレスチナ人は「飢餓のような状況」に直面し続けている、と述べた。

またal-Qahtan氏は、国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）を攻撃するイスラエルの対応は、国際人道法における義務違反だとし、人道支援と開発支援の「屋台骨」であるUNRWAの存在を危険にさらしていると主張したという。

その上で同氏は、イスラエルが人道支援物資を「戦争の手段として」武器化し、人道支援従事者を組織的に攻撃の標的にするなどの行為を通じて、ガザ地区で人道的災害を「作り出し、実行した」と指摘。イスラエル軍がガザ地区で行っていることは、「集団的懲罰」であり、「パレスチナ人の全世代を破壊している」と述べた。

またパキスタンの代表も5月1日、国際司法裁判所で発言。イスラエルのUNRWAに対する妨害行動は、国連に対する最も重大な侵害の1つだと批判した。

そしてイスラエルの行動を阻止できなければ、同様のことを他の政府も行い、国際的な監視を回避しようとすると指摘。「したがって、イスラエルの行動は国連の世界的な活動に対する脅威であり、裁判所もそのように扱うべきだ」と述べたという。