ネアンデルタール人、石製のドリルを使って虫歯を治療

約6万年前、ネアンデルタール人が虫歯の治療をしていたことが、最新の研究で判明した。
重度の虫歯を示す兆候
その証拠はネアンデルタール人の下顎の臼歯とされ、シベリア南部にあるChagyrskayaの洞窟で発見されたという。
歯は今から約5万9000年前のものとされ、鋭利で薄い石器を使い、深い穴が開けられていたそうだ。
その穴は歯髄にまで達するほど深く、X線の顕微鏡画像では、重度の虫歯を示す石灰化が見られたという。
歯を削る行為がホモ・サピエンス以外で確認されたのは今回が初めてであり、これは歯科治療に関する最古の証拠とされ、これまでより4万年も遡ることになる。

実際に研究者が歯で穴を再現
石製のドリルで開けられた穴の縁は滑らかに磨かれ、内部に摩耗のパターンが見られたことから、この人物が歯の治療後もしばらくの間、この歯で咀嚼を続けていたことが示唆された。
研究者たちは現代人の歯を使い、地元の石英(または碧玉)から作った細長い道具を、2本の指で挟んで回転させ、同じ形状と微細な溝のパターンを持つ穴を作製できることを実証したという。
ただこの方法で、歯の象牙質を貫通させるには、35分から50分間の連続作業が必要だったそうだ。
ロシア中部のノボシビルスク州にあるロシア科学アカデミー・シベリア支部の考古学者、クセニア・コロボワ博士は、次のように語っている。
「今回の発見は、ネアンデルタール人が野蛮で劣った存在ではなく、複雑な認知能力と文化的能力を備えた高度な人類集団であったという、現在では十分に裏付けられている見解を強化するものです」
このような歯の治療は、本人に耐えがたい苦痛を与えたと想像できるが、研究論文の共著者である、ロシア科学アカデミーの考古学者、リディア・ゾトキナ博士は、次のように指摘している。
「彼らは、処置の痛みが炎症の痛みよりも大きいとしても、それは一時的なものであり、耐えなければならないものだと理解していたに違いありません」(了)
出典元:The Guardian:Neanderthals used stone drills to treat cavities 59,000 years ago, tooth suggests(5/13)

























