木や藻類から作られ、土に埋めると分解していくTシャツがすごい
イギリスのロンドンを拠点にするスタートアップ企業が、木や藻類からTシャツを作り、注目を集めている。
土に埋めると自然に分解する
その企業とは、「Vollebak」。彼らはまずユーカリやブナ、トウヒの木を細かく切断し、パルプ状にしてから織物の糸にして、Tシャツの生地を作ったという。
そしてTシャツに描くインクは、デザイナーがバイオリアクターの中で育てた藻類から作るそうだ。
これにより、例えTシャツを着なくなっても、裏庭などに埋めるだけで分解し、堆肥になっていくと言われている。
服のゴミ問題を解決する手段に
無論、このTシャツの着心地は通常のものと変わらず、洗濯して乾かしたとしても、生分解されないという。
というのも生分解するためには、菌やバクテリア、熱が必要だからで、コンポストのなかに入れたり、土に埋めたりすることで分解が始まるそうだ。
しかも8週間や12週間で分解されることから、服のゴミ問題を解決する画期的な方法だと考えられている。
EPA(米環境保護庁)の報告によれば、2015年には1050万トンもの服のゴミが処理施設へ送られているが、これはゴミ全体の7.6%にあたるという。
しかも藻類でインクを作る際も、湖の水を使わず、パルプを繊維に変える際も99%以上の水や溶剤がリサイクルされるため、水の節約にもなるそうだ。
現在、このTシャツは110ドル(約1万1000円)で販売され、少し高価だが、このような方法を開発することで、少しずつ環境にやさしい社会が実現されていくのかもしれない。(了)
出典元:Good News Network:These Comfy T-Shirts Made From Wood and Algae Can Be Composted Once You’re Done With It(9/8)