猛毒生物「カツオノエボシ」が神奈川県のビーチに漂着、どんな生物?
神奈川県の相模湾沿岸一帯に猛毒の生物が多く打ち上げられている可能性があるとして、注意が呼びかけられている。
刺されると呼吸困難で死亡することも
その生物とは「カツオノエボシ」だ。これは一見、透明で綺麗な青い色を浮かべているのだが、非常に強い毒を持っているという。
紐のような長い触手に人間が触れると、表面にある細胞から刺胞という微小な毒針が発射され、これに含まれる毒が炎症や痛みを引き起こし、電気ショックにような痛みが走るそうだ。時にはアナフィラキシー(ショック)を起こし、呼吸困難に陥って死に至ることもあるとか。
そんな恐ろしい生物が先日、神奈川県茅ヶ崎市などの相模湾沿岸に多く漂着しているのが確認された。
【危険! カツオノエボシが漂着しています】
現在、相模湾沿岸にカツオノエボシが点々と漂着しています。今年は神奈川の海には海水浴場が設置されず、海岸には救護所がありません。海藻やごみに紛れていて踏んだり触ってしまう可能性もあります。決して触れないようご注意ください! pic.twitter.com/BQmD5yyoW9— 公益財団法人かながわ海岸美化財団 (@bikazaidan) July 7, 2020
茅ヶ崎海岸に漂着しているのを確認
茅ヶ崎市にある「かながわ海岸美化財団」によれば、7月5日に職員が確認したところ、茅ケ崎海岸で複数の「カツオノエボシ」が約5メートル間隔で、砂浜に打ち上がっていたという。
活発な梅雨前線の影響で、南寄りの風が強かったことから海岸に吹き寄せられた可能性があると見られており、他の海岸でも同様のケ-スが想定されるそうだ。
今年の夏は新型コロナの影響で、神奈川県内の25カ所の海水浴場が開設中止。「かながわ海岸美化財団」では「海岸には救護所がないため、カツオノエボシには決して触れないで」と注意を呼びかけている。
「カツオノエボシ」はヒドロ虫の仲間に属し、通常のクラゲとは異なる。カツオが到来する時期に海流に乗ってきて、浮き袋の見た目が烏帽子に似ていることから三浦半島や伊豆半島でカツオノエボシと呼ばれるようになったと言われている。
イスラエルでは青いクラゲが大量に出現
一方、イスラエル南部の街、Ashkelonでは、なんと青いクラゲが大量に沿岸に押し寄せ、電力会社に影響を及ぼしているという。
このクラゲは数千匹もいるとされ、7月9日に電力会社「Israel Electric Corporation」の冷却装置に入り込んで詰まらせ、電力生産の能力を大幅に低下させてしまったそうだ。
このため、電力会社の作業員は消費者に影響を与えないよう、クラゲが引き起こした予期せぬメンテナンス作業に追われているらしい。(了)
出典元:神奈川新聞:猛毒カツオノエボシ漂着中 「海岸に救護所なく注意を」(7/9)
出典元:ISRAEL HAYOM:Watch: Thousands of jellyfish invade Israeli power plant(7/9)