機内が異常な振動に見舞われ、航空機が空港に引き返す事態が発生
AirAsiaXの機内で激しい揺れが長時間続き、航空機が空港へ引き返すという出来事が起きた。
●1時間以上も激しい揺れが続く
そんな事態が発生したのは6月25日、オーストラリアのパース空港からマレーシアのクアラルンプールへ向かっていたD7237便とされている。
その機体はエアバス社のA330-300で、日曜日の朝6時40分に359人の乗客をのせパース空港を離陸したが、途中機内が激しい振動に見舞われたという。
振動は1時間15分近く続き、機内の様子は複数の乗客によって撮影され、シートがガタガタと音を立てて揺れる姿が捉えられている。
https://twitter.com/haji_akil/status/878829496836554753
●「死ぬかと思った」とコメント
当時、この便に乗っていたDamien Stevensさんによれば、乗客らは2回もパイロットから神に祈るよう求められたという。
また航空機はその異常振動により空港へ戻ることになったが、着陸する時には、乗客に対し不時着に備える姿勢をとるよう指示が出されたそうだ。
Stevensさんは取材に対し「それは非常に激しく揺れており、本当に恐ろしかったです」と語っている。
また機内を撮影したインスタグラム・ユーザーのmaesayaさんも「私は死ぬかと思いました。しかしとにかく私はまだ生きている。神に感謝します」とコメントしている。
●同様のエンジンが3回もトラブル
D7237便は午前10時少し前にパース空港へ無事着陸。その瞬間、乗客らは歓声を上げ、降りる際には皆パイロットと握手を交わしたという。
この振動の原因については、A300に搭載されたロールスロイス製Trent700というエンジンの不調と考えられているが、いまだに明らかにされていない。
A300では2つのエンジンのうち1つだけでも飛行が可能なように設計されているそうだが、このロールスロイス製のエンジンは今月に入って2回、5月も含めれば3回も大きなトラブルを起こしているそうだ。
実際、中国東方航空のA330もエンジンの一部が破損しているのが発見され、離陸後に引き返しており、5月にはEgyptAirにも同様の損傷が見つかっているとか。
今回は乗客らにケガ人などは出なかったようだが、AirAsiaXは現在、関係先と緊密に連携して事故原因を調査しているという。(了)
出展元:CNN:Pilot urges prayers as ‘technical issue’ forces turnaround(6/25)