NASAが月にある「神秘的なドーム」の調査を行うと発表
アメリカ航空宇宙局(NASA)は、月にある「ドーム(半球形の構造物)」の調査を開始すると発表した。
長い間、謎のままだった
調査の対象となるのは、「グリュイセン・ドーム」だ。これはシリカを豊富に含むマグマによって形成されたと考えられており、組成は花崗岩に似ているという。
ただ地球上で、このような「ドーム」が形成される場合、液体の海やプレートテクトニクス(地下の岩盤が動くこと)が必要となる。
しかし月には海もなく、地殻変動もない。そのためこのようなドームがどのように形成され、または時間と共にどう進化してきたのか、科学者たちの間でも長年、謎のままだったそうだ。
そこで今回、NASAはミッションの中でも「優先的」な課題と位置づけ、この「ドーム」に探査ローバーを送り込むと発表した。
地球の10日分かけて頂上を調査
このミッションは「Lunar Vulkan Imaging and Spectroscopy Explorer(Lunar-VISE)」と呼ばれており、2025年に予定されているという。
そして地球10日分(月1日分)をかけて、「グリュイセン・ドーム」の頂上を探査する予定となっているそうだ。
このドームの頂上で月のレゴリス(堆積層)を分析することにより、これらの地層がどのようにしてできたのかという未解決問題の解明に貢献することになるという。
またここで得られたデータは、将来のロボットや人間の月へのミッションに情報を提供するのに役立つと考えられている。(了)
出典元:METRO:Nasa launching ‘priority’ mission to investigate strange domes on the moon(6/6)