夫を致死量の5倍のフェンタニルで毒殺、“悲しみの絵本”出版の妻に有罪

夫の死後に“悲しみ”をテーマにした絵本を出版し、メディア出演もしていた女性。実はその裏で夫をフェンタニルで毒殺していた――。米ユタ州で3月16日、審議開始から約3時間で妻に有罪評決が下された。
致死量5倍のフェンタニルで殺害
検察によると、コーリ・リッチンズ被告(35)は2022年3月4日、米ユタ州の自宅にて、夫のエリック・リッチンズ氏(当時39歳)に提供したモスコミュールに合成麻薬フェンタニルを混入して殺害。その後、2023年5月に逮捕された。夫の体内からは致死量の約5倍にあたる量が検出されたという。
さらに事件の約1カ月前にも、薬物を混入した食事で夫を毒殺しようとした疑いについて、殺人未遂の罪で有罪とされた。
事件前に相次いだ不審な出来事
裁判で示された証言によれば、エリック氏の妹は、数年前のギリシャ旅行の際に「コーリ・リッチンズが自分を殺そうとしたのではないか」と兄が話していたと証言。また別の出来事として、2022年のバレンタインデーに妻が作ったサンドイッチを食べた後、エリック氏が蕁麻疹を発症し、呼吸困難に陥ったとされる。
被告の裁判では、2021年のクリスマス頃、夫婦が口論した後に、被告が「夫は死んだほうがいい」と話していたと近所の住民が証言している。
動機は“金”と“夫婦関係”か
裁判資料によれば、エリック氏は殺害される前、妻との離婚を検討しており、妻の不動産ビジネスのために転売目的で200万ドルの豪邸を購入するかどうかを巡って口論していたという。彼の死の翌日、被告はその豪邸の購入手続きを完了する書類に署名したとされる。
また、コーリ・リッチンズ被告は夫の複数の生命保険の受取人となっており、検察によれば、2015年から2017年の間、夫に知らせず4件の保険契約を結んでいた。エリック氏は死の直前、妻を生命保険と遺言から外そうとしていたことがわかっている。
“悲しみの本”が事件の象徴に
事件が大きな注目を集めた理由の一つが、コーリのその後の行動だ。彼女は夫の死後、子どもたち(当時6歳、9歳、10歳)の喪失感を癒やすことを目的とした絵本『Are You with Me?』を自費出版。ユタ州のローカル局へのテレビ出演も果たし、「私たちが感情や経験を描くことで、他の子の役に立てばと思って」と発言していた。
裁判では、この出版活動自体が“隠れみの”や、計画性の一部だった可能性があると指摘されている。
最大で終身刑の可能性
コーリ被告は今後、量刑審理を経て刑が言い渡される予定で、終身刑となる可能性もある。判決は5月13日に予定されている。
“悲しみ”を語る絵本の出版者が殺人犯だったという異例の事件。自分たちの経験をつづった母親が、父を殺した殺人犯だったと知った子どもたちは、この評決をどう受け止めたのだろうか。(了)
出典元:CBS「Kouri Richins, Utah mom who wrote grief book, found guilty of murdering her husband」(3/16)
出典元:Dallas Express「“Are You With Me?” Irony: Kouri Richins Guilty Of Fentanyl Murder Of Husband After Promoting Grief Book」(3/17)


























