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映画『ホテル・ルワンダ』のモデルになった人物、ルワンダ警察によりテロ容疑で逮捕

映画『ホテル・ルワンダ』のモデルになった人物、ルワンダ警察によりテロ容疑で逮捕
flickr_Gerald R. Ford School of Public Policy University of Michigan

ハリウッド映画『ホテル・ルワンダ』で主人公のモデルとされた人物が、ルワンダの捜査当局に逮捕された。

 

ホテルに匿い多くの命を救う

 

その人物とは、ポール・ルセサバギナ氏(66)。彼は1994年当時、ルワンダにある高級ホテル「Milles Collines」のマネージャーだった人物だ。

 

その年、ルワンダでは部族間対立により大量虐殺が行われたが、ルセサバギナ氏は人々をホテルに匿い、1000人以上の命を救ってきたという。

 

このストーリーはその後、映画『ホテル・ルワンダ』(2004年制作)として紹介され、世界中に当時の様子が知られることになった。

 

テログループのリーダーだった?

 

しかし先日、ルワンダの捜査当局は、ルセサバギナ氏を逮捕したと発表。現在、首都のキガリにある警察署で拘留されていると述べた。

 

ルワンダ警察によれば、ルセサバギナ氏は過激主義的な武装したテログループの創設者でリーダー、または資金提供者だったという。このため国際手配書も発行され、今回逮捕に至ったと述べている。

 

しかしルワンダ当局はどこで彼を逮捕したのか、また容疑内容の詳細についても明らかにしていない。ルセサバギナ氏とつながりのあるベルギー連邦検察も、彼がベルギー国内で拘束されてもおらず、移送もされていないと述べている。

 

大量虐殺後、野党を立ち上げる

 

そもそもルセサバギナ氏は、国内で暗殺されそうになってから、1996年以来ルワンダでは暮らしていなかったという。

 

また大量虐殺の後、ルセサバギナ氏はコンゴ民主共和国を拠点にした武装組織を持つ、反政府勢力の野党を立ち上げたそうだ。

 

そしてルセサバギナ氏の名前は、最近ルワンダで起きたテロ事件に関して取り上げられた。

 

その事件においてルワンダの裁判では、反政府組織の「国家解放戦線(FLN)」が、ルセサバギナ氏との親交のおかげで、ザンビアのEdgar Lungu大統領から支援を受けたとの疑いがかけられたそうだ。

 

しかしLungu大統領のスポークスマンは、その疑いについて否定している。

 

現政権にターゲットにされてきたと主張

 

さらに2011年には、ルセサバギナ氏はルワンダにおいて国家転覆をもくろむ勢力に資金を提供した容疑がかけられたが、彼はその事実を否定。名誉を傷つける政治工作だと主張し、実際に起訴もされなかったという。

 

その一方で、ルセサバギナ氏や彼の支援者は1994年の大量虐殺が終わった後、ポール・カガメ大統領(現政権)や、大統領が率いたツチ系難民によって設立された「ルワンダ愛国戦線」の行為を一貫して批判してきたことで、政権にターゲットにされてきたと主張し続けている。

 

1994年に起きたルワンダの大量虐殺では、過激主義のフツ族が、穏健なフツ族と対立するツチ族の住民、約80万人を殺したという。

 

またルセサバギナ氏は、2005年に米大統領自由勲章を受章するなど、人権活動家として何度も表彰されている。(了)

 

 

出典元:CNN:‘Hotel Rwanda’ film hero Paul Rusesabagina arrested(8/31)

出典元:BBC:Paul Rusesabagina: Hotel Rwanda film hero arrested(8/31)

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