津波に流されたトンガの男性、27時間泳ぎ続け生還
体の不自由なトンガの男性が、海底噴火の直後に発生した津波に飲まれたが、無事に生還した。地元メディアなどが伝えている。
足が不自由だった男性
その男性とは、トンガ王国のアタタ島で暮らしていたLisala Folauさん(57)。
地元メディア「Broadcom Broadcasting」のインタビューに語ったところによれば、Folauさんはそもそも障がいのために足の機能が限られていたという。
そして1月15日、海底火山フンガ・トンガ・ハアパイが噴火した時は、家のペンキを塗っており、兄(または弟)が津波が来ると教えてくれたそうだ。
その直後、津波が押し寄せ、約60人が住んでいた小さなアタタ島の大部分が破壊されたという。
8キロも離れた本島まで泳ぐ
Folauさんもなんとか木に登って助かろうとしたが、すぐに再び津波が押し寄せ、大きな波にさらわれたそうだ。
そしてただ海に浮遊し、押し寄せる大きな波に打ちのめされ続けていたという。そんな中で、Folauさんは木か何かにつかまっていれば、命を落としても捜索隊が自分を見つけて、家族が自分の遺体を見ることができるかもしれない、とずっと考えていたとか。
しかしその後、Folauさんは27時間も泳ぎ続け、16日の夜遅くに、アタタ島から8キロも離れたトンガの本島であるトンガタプ島にたどり着いたという。
Lisala Folau, who is disabled, was swept out to sea from the small, isolated island of Atata, but made it to the main island of Tongatapu, about eight kilometres away. #Tonga https://t.co/7AuBDQSEf6
— The Age (@theage) January 20, 2022
「本物のアクアマン」
このエピソードが報じられると、Folauさんは注目を集め、広く称賛されたそうだ。
またソーシャルメディアでも、スーパーヒーローにちなんで「本物のアクアマン」と称されたという。
Folauさんは取材に対して「流され、浮き上がり、直面したばかりの危険から生還したことは、とても予想外でした」と語っている。
海底火山フンガ・トンガ・ハアパイの噴火の後、トンガでは津波により、通信回線が寸断され、何百もの家屋も破壊され、現時点で3人の死亡が確認されている。そしてまだ被害の全貌は明らかになっていない。(了)
出典元:INDEPENDENT:Tongan ‘real life Aquaman’ survives 27-hour swim after tsunami(1/21)
出典元:USA TODAY:‘Real life Aquaman’: Man says he survived 27 hours at sea after Tonga tsunami(1/20)