BMWが色を変える車を発表、そこには意外な実用性が
BMWは今年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、色を変える車を発表した。
いわゆるE Ink(電子ペーパー)をボディにコーティングしたその車「BMW iX Flow」は、ボタンひとつで白にも黒にもなる。
E Inkの技術を車体に
E Ink(イー・インク)は、アマゾンKindleなどの電子書籍リーダーに用いられている技術だ。プラスに帯電した白色の粒子と、マイナスに帯電した黒色の粒子を電界によって操作し、平らな物の表面の特定部分の色を変え、様々な文字を表示させるというもの。
今回発表された「BMW iX Flow」は、ボディ表面にこのE Inkが応用されている。と言っても文字が出る訳ではなく、ボディ全体の色が変わるのだ。ボタン操作ひとつで、一瞬にして黒、白、またはグレーになる。
現在のところ、赤や青などの有彩色にはならない。この点は少し残念だが、白黒の選択肢だけでもファッション性は広がるだろう。その日の気分や服装、車で行く先のシチュエーションに合わせて色を選べるのは便利そうだ。
意外な実用性
色を変えるボディには、他にも役立つことがある。例えば、夏の間は白にしておけば、光を多く反射して熱を吸収しないので、車内の温度上昇を比較的抑えることができる。
また、車のボディを使って人に何かを知らせることもできる、とBMWはいう。例えばバッテリー残量を白黒濃度で伝えたり、カーシェアリングで利用可能な車の色を変えて区別したり、駐車場で自分の車を探すとき白黒に点滅させて見つけたりできるそう。
「BMW iX Flow」は、BMWの最先端プロジェクトの成果として発表された、いわゆるコンセプトカー。実際に販売されるとしても、まだ先のことになりそうだ。しかし、その時はさらに進化して、カメレオンのように何色にも変わるようになっているかもしれない。(了)
出典元:The Verge:BMW debuts its new color-changing paint technology at CES: E Ink(1/5)
出典元:ubergizmo:BMW Shows Off A Color-Changing Car At CES 2022(1/5)