米で厳格な中絶禁止法が成立、女優らが「セックス・ストライキ」を呼びかける
先日、アメリカのジョージア州で新しい中絶規制法が成立したが、それに反対する女優らが「セックス・ストライキ」を行うよう呼びかけている。
心臓の鼓動が確認されたら中絶禁止
先週、ジョージア州のBrian Kemp知事(共和党)は、アメリカで最も厳しいとされる中絶禁止を認める法案に署名を行ったという。
その中絶禁止法とは、胎児の心臓の鼓動(心音)が医者によって確認された場合、堕胎することを禁止するものとされている。
通常、胎児の心臓は妊娠から6週間ほどで脈打つとされているが、この法律に反対する女優のAlyssa Milanoさんは法案が撤回されるまで、女性らに男性から求められても性交をしない「セックス・ストライキ」を行うよう呼びかけた。
Repost @washingtonpost Alyssa Milano is voicing her opposition to new antiabortion legislation by proposing a sex…
2万5000件の「いいね」、リツイートも9000件
Milanoさんは5月11日にツイートをし、次のように訴えている。
「私たちの子供を作る権利が消されようとしている。女性が自身の体を合法的にコントロールできるようになるまで、私たちは妊娠を危険にさらすことはできません。自分自身の体に主体性を取り戻すまで、セックスしないよう、私たちの運動に加わってください。私は@SexStrikeを求めています。拡散してください(次の人に伝えて下さい)」
このツイートにより5月11日の午後には、Alyssa Milanoさんと#SexStrikeがツイッター・トレンドのトップ10入りを果たし、彼女のツイートにも2万5000件以上の「いいね」がつき、9000件以上もリツイートされたという。
しかし宗教的な理由から中絶に反対する人々は、Milanoさんのセックスを断つという禁欲的な姿勢を皮肉交じりに褒め、賛成派の中にも「セックスを男性が欲し、女性が与えるものとする考え方は時代遅れだ」とする意見もあったようだ。
Our reproductive rights are being erased.
Until women have legal control over our own bodies we just cannot risk pregnancy.
JOIN ME by not having sex until we get bodily autonomy back.
I’m calling for a #SexStrike. Pass it on. pic.twitter.com/uOgN4FKwpg
— Alyssa Milano (@Alyssa_Milano) May 11, 2019
ハリウッドの俳優や映画監督も支援
もっともこの法案に反対しているのは、Milanoさんだけではない。彼女は以前からこの法案が可決されれば、ジョージア州での仕事を拒否すると主張してきたが、これには複数のハリウッド俳優らも賛同したという。
また映画監督であるJ.J.エイブラムス氏やジョーダン・ピール氏も、「ジョージアの女性たちと肩を組んで取り組み、過酷な法律への反対運動を率いているグループに寄付する」と支援を表明している。
ただJ.J.エイブラムス氏は現在、ジョージア州でHBOの新たな作品「Lovecraft Country」の制作に取り掛かっているが、州での撮影を中止することは考えていないとも述べたとか。
今回の中絶禁止法は法的にも訴えられており、最終的には保守派が多数を占める最高裁へ行く前に、判断が下される可能性があるという。(了)
※映画界とジョージア州の関係については、AFPで詳しく説明している。こちらもご覧いただきたい。
出典元:ABC News:Alyssa Milano on new Ga. abortion law: ‘JOIN ME by not having sex until we get our bodily autonomy back’(5/11)