ウクライナがドイツに、射程500キロの巡航ミサイル「タウルス」の供与を要請
ウクライナ政府は、長距離射程の巡航ミサイルの供与を求めているが、ドイツ政府は難色を示しているという。
戦闘機から発射されるミサイル
その巡航ミサイルとは、「タウルス」だ。これは射程が500kmもあり、西側の戦闘機「トーネード」や「F-15」「F-18」などから発射される。
このミサイルは、ドイツがスウェーデンなどと共同開発したもので、ウクライナ政府は今年の5月ごろから、ドイツに供与を要請してきた。
ドイツの与党「社会民主党」の関係者は、「タウルス」の供与を排除しないと発言していたが、ドイツ政府は、このミサイルがロシア国内に向けて使用されるのを恐れ、いまだに供与に応じていない。
このためウクライナのドミトリ・クレバ外相は8月11日、「タウルス」をウクライナの国境内でのみ使用すると誓い、改めて供与を要請。SNSにも次のように投稿した。
「長距離ミサイルは極めて重要であることが証明された。そのため、タウルスとATACMSはウクライナの成功に不可欠であり、パートナーにできるだけ早く提供するよう要請する。どちらもウクライナの国境内でのみ使用される。ミサイルの射程距離が長ければ長いほど、戦争は短くて済む」
ロイター通信によれば、現在ドイツ政府は、ウクライナへの「タウルス」の供給について、製造元のMBDA社と交渉中だという。
A decision by Germany 🇩🇪 on the transfer of Taurus Long Range Cruise Missiles for Ukraine 🇺🇦 could be made soon say German Officials (T-Online)
The German Chancellery is working with US for the decision on supplying Taurus to be announced together with the supply of ATACMS by US pic.twitter.com/NO5LdgfuFE
— Ukraine Battle Map (@ukraine_map) August 10, 2023
モスクワ周辺の空港閉鎖を検討
一方、ロシアのメディアによれば、ウクライナによるモスクワへのドローン攻撃が続いているとして、政府がモスクワ周辺の一部、または全ての空港の閉鎖を検討しているという。
先日も、モスクワ近郊の空港付近で爆発が起き、その映像も公開されている。
ウクライナ軍の情報機関のスポークスマンは、ロシアの防空システムは同国の市民を守ることができないようだと語り、モスクワに住む人々はさらなる攻撃を予期すべきであると警告した。
ウクライナ西部にミサイル攻撃
ロシア軍は11日、ウクライナ西部のイヴァーノ=フランキーウシク州にある飛行場へ向けて、4発のミサイル「キンジャール」を発射したという。
この攻撃により、「ヴォロディア」と呼ばれる8歳の少年が死亡。彼は小学校2年生で、陽気な性格だったとされている。
ウクライナ空軍の報道官は、この攻撃が、訓練のためにヨーロッパへ向かうウクライナ軍のパイロットを標的にしたものだが、ミサイルが「ヴォロディア」君の家を直撃したと伝えている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Russian troops launch five missile strikes, killing one person – as it happened(8/11)