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体外受精を行う病院が胚を取り違え、女性が別の夫婦の双子を出産

体外受精を行う病院が胚を取り違え、女性が別の夫婦の双子を出産
AC

アメリカで体外受精を行った女性が、別の人物の子供を出産したという、ショッキングな事件が起きた。

 

遺伝子検査でも女性と一致せず

 

ニューヨークに住むその女性はアジア系だが、今年の3月に非アジア系の双子の男の子を出産したという。

 

その後、双子の遺伝子を検査したところ、異なった夫婦のものと一致。その夫婦は、女性と同じクリニックの患者だったそうだ。

 

これによりクリニック側が移植する胚を取り違えていたことが判明。アジア系の女性は先日、米連邦地裁に対しクリニックを訴える裁判を起こした。

 

123RF

2度目の胚移植で妊娠に成功

 

アジア系の夫婦の名前は、「A.P.(妻)」さんと「Y.Z.(夫)」さんとしか分かっていない。

 

彼らはニューヨークのフラッシングに住み、2012年に結婚。妊娠に問題を抱えていたため、ロサンゼルスを拠点にする「CHA Fertility Center」というクリニックを通して、体外受精での出産を決意したという。

 

体外受精とは研究室で卵子と精子を受精させ、その後女性の子宮に胚を移し、出産を行うというもの。

 

「CHA Fertility」は2018年の初め頃に、「A.P.」さん夫婦から精子と卵子を回収。それを研究室で受精させたところ、5つの正倍数性の胚が形成され、そのうちの4つは女の子だったそうだ。(8つの胚との報道もある)

 

もっとも最初に「A.P.」さんに胚を移植する試みは失敗し、妊娠に至らなかったが、2度目の試みで双子を妊娠することに成功した。(2018年9月)

 

flickr_Rick Kimpel

男の子を妊娠したと知り困惑

 

ところが超音波画像の検査で、双子の2人とも男の子だと判明。1つしか男の子の胚がないと言われ、しかもそれは移植していないとも知らされていたため、夫婦は困惑したとか。

 

その後、「CHA Fertility Center」の共同経営者にも連絡して、この問題について尋ねたが、超音波の検査は正確ではなく、信頼できるテストではないと言われたそうだ。

 

「A.P.」さんはやがて3月に双子の男の子を出産。どちらの男の子もアジア系の血を引いている容姿ではなかったという。

 

DNAの検査でも2人の男の子は、夫婦のどちらとも繋がりがないことが判明。さらに双子は、同じ「CHA Fertility Center」で治療を受けていた別の夫婦と繋がりのあることが明らかとなる。

 

「A.P.」さん夫婦は結局、自らが出産した双子の養育権が認められず、手放すことを余儀なくされたそうだ。

 

この裁判は7月1日に開かれ、病院側が原告を肉体的・精神的に苦しめたとして、医療過誤や過失など14の訴因で起訴された。(了)

 

 

出典元:WPTV:A mother gave birth to other couples’ babies because of an IVF mix-up, lawsuit states(7/8)

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