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スペースX社の新型巨大ロケットが発射台に登場、ドローン映像が公開される

スペースX社の新型巨大ロケットが発射台に登場、ドローン映像が公開される
Instagram/SpaceX

スペースX社の新しいロケットが発射台に設置され、そのドローン映像が公開された。

 

27基のエンジン、積載量も2倍以上

 

その最新式のロケットとは「Falcon Heavy」。これはスペースX社のロケットの中でも、最もパワフルなものとされ、従来に比べて2倍以上の積荷を搭載でき、地球低軌道なら約6万3800kgの量を打ち上げることが可能とされている。

 

実際にこのロケットは2段式となっており、1段目は「Falcon 9」の9つのエンジンを3つ束ねており、合計で27基の「Merlinエンジン」が備えられているという。

 

加えて2段目のロケットは何度も再点火が可能で、複数の軌道を航行できるそうだ。

 

またこれまでスペースX社のロケットは衛星の打ち上げや、宇宙ステーションへの物資輸送のために使われてきたが、今回の「Falcon Heavy」は人間を乗せて飛ぶよう設計されており、将来は月や火星まで行き、地球へ戻ることも想定しているとか。

 

今回、公開されたドローンの映像にも、巨大で迫力のある姿が捉えられている。

 

1段目のロケットも再利用、着陸させる予定

 

「Falcon Heavy」の発射時推力は226トン以上。これはボーイング747旅客18機の最大推力に匹敵するという。このような推進力を誇るロケットは、以前月面着陸に用いられたNASAの「サターンV」しかないとされている。

 

高さは約70mもあり、現時点で運用されるものとしては、2位を2倍以上回って世界最大のロケットとなるそうだ。下は以前公開したイメージ動画。

 

現在、打ち上げのための準備が進められており、それが終われば1月以降に発射される予定だとか。

 

またスペースX社では3つの1段目のロケット全てを再利用するため、垂直着陸させるよう試みるとしており、そのうち2つはフロリダ州のケープカナベラル空軍基地に、残りの1つは大西洋に浮かぶ無人基地へ無事帰還させる予定としている。

打ち上げテストは失敗する可能性も

 

ただしスペースX社の最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は、昨年7月の会見で、試験発射は失敗することも予想しているとの考えを明かしていた。

 

また今回の打ち上げでも「軌道まで届かない可能性もある」と指摘し、テストは数回失敗する可能性もあるとしている。

 

この大型ロケットの打ち上げは、もともと昨年11月に行われる予定だったが、調整のためたびたび延期されてきた。

 

しかし「Falcon Heavy」は火星植民のために作られたとされており、もし打ち上げに成功すれば、今後人類による火星探査が本格化するのかもしれない。(了)

 

 

出典元:NASA:Rocket Launch: NET January 2018 | SpaceX Falcon Heavy Inaugural Flight

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