尾ビレを動かし魚ソックリ!米大学が開発した水中ロボットがユニーク
アメリカのマサチューセッツ工科大学により、魚ソックリの動きをするロボットが開発され、その動画が公開された。
尾ビレを動かし、深さ15m以上も潜れる
このロボットの名前は「SoFi」。これは本物の魚のように尾ビレを動かし、側面についた2つのヒレを使い水中を自由自在に泳ぐことができるという。
潜れる深さは15m以上、スマホに使われるリチウム・ポリマー・バッテリーを使用し、一度に40分間泳ぎ続けることができるそうだ。
また潮の流れにも素早く対応でき、魚眼レンズを使った高解像度の軽量カメラとビデオも搭載している。研究者らはフィジーのRainbow Reefでテストを行い、その映像を公開した。
スーパーファミコンのコントローラーを使用
ユニークな点は、このロボットを操作するのに、任天堂のスーパーファミコンのコントローラーを使っていること。
さらに開発チームは独自の音響通信システムを開発。超音波のシグナルにより「SoFi」の速度を変えることもでき、ターンなど特定の動きも可能にさせているという。
推進力となるのはモーターポンプ。これが尾ビレの中にある風船のような2つの小部屋の中に水を注ぎ、ロボットが体を曲げて片方の小部屋を膨らませると、駆動装置が他の部屋へ水を送り込み、体が別の方向へ曲がる仕組みになっているそうだ。
この水圧システムを使うことで、結果としてさまざまな尾ビレの操縦を可能にし、スピードも調整できるようになったとか。
近くでサンゴ礁を観察するのに適している
通常の水中ロボットはボートからケーブルなどで繋がれ、非常に大きく、高価な推進装置によって進むとされているが、それに比べこの「SoFi」は非常にシンプルで軽量とされている。開発に携わったCecilia Laschi,教授は次のように語っている。
「より安全に近くから観察できると共に、海洋生物にも受け入れられやすいという理由のため、このロボットは現在あるものよりも、近くでサンゴ礁を探索することに役立てられます」
実際に柔軟な動きをすることで海中において障害物との衝突も回避でき、サンゴ礁の下まで潜れ、他の魚を脅かすことも少ないそうだ。
このロボットの尾ビレや背中の半分はシリコンラバーや柔軟なプラスチックでできており、電子機器が詰まった頭部を含めて、他のいくつかの部品は3Dプリンターで作られているという。
このようなロボットはこれまでにないそうだが、確かに画期的なものと言えるかもしれない。(了)
出典元:MIT News:Soft robotic fish swims alongside real ones in coral reefs(3/21)