サンドワームのような古代の虫、喉を突き出し、獲物を捕らえていた
イギリスで発見された虫の化石の分析がすすめられ、意外な生態が明らかにされた。
最先端の画像技術を使用して分析
その化石は「ラドノルスコレックス・ラトゥス(Radnorscolex latus)」と名付けられ、以前にイングランドのHerefordshireにある採石場で発見されていたという。
今回、ロンドン自然史博物館の専門家は、最先端の画像技術を使用して化石を分析。その結果、「ラドノルスコレックス」の頭には、歯と鉤の列があり、それを海底に固定させ、体を前に引きずって移動させていたことが判明した。
さらにこの虫には格納式の喉があり、それを伸ばして、堆積物の中に隠れた獲物を捕まえることができたと考えられている。
映画『デューン』に登場するワームのよう
「ラドノルスコレックス」は体長8cmほどしかないが、海底に生息した捕食者だったと考えられている。
またこの虫は、絶滅したミミズのような動物「パレオスコレス科(Palaeoscolecids)」のグループに属し、この動物は、急速な気候と海面の変化により、約4億年前に完全に絶滅したそうだ。
自然史博物館の学芸員であるリッチー・ハワード博士は、「ラドノルスコレックス」がハリウッド映画『デューン』に登場する、巨大なワームを彷彿させるとし、次のように述べている。
「彼らは餌に関してはあまりうるさくなく、泥の中に喉を突き出して、見つけたものは何でも食べていたのではないかと考えています。その点では、確かに『デューン』のサンドワームを思い出させます」
「ラドノルスコレックス」の化石は、約100年前に発見されていたが、当時は古生物学者が、これらを詳細に調査できるほど、技術が進歩していなかったという。(了)
出典元:The Guardian:Remnants of prehistoric marine worm unearthed in Herefordshire(5/23)