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宇宙ゴミを磁石で掃除する日本の衛星、打ち上げに成功

宇宙ゴミを磁石で掃除する日本の衛星、打ち上げに成功
Astroscale

地球周回軌道上に浮遊する宇宙ゴミを、磁石で集めて回収する、世界で初めての衛星が打ち上げられた。

 

「ELSA-d」と名付けられたこの衛星は、日本の民間企業「アストロスケール(Astroscale)」が開発したもの。

 

宇宙ゴミ問題の解決に向けて

 

宇宙ゴミとは、運用を終えたまま打ち捨てられた人工衛星や、そこから外れた部品、爆発や衝突などで飛び散った破片など、軌道上にある様々な不要物のことをいう。現在、宇宙にはさまざまな宇宙ゴミが地球軌道上を漂っており、これが将来の宇宙活動の妨げになる恐れがある。

 

この問題の解決に乗り出したのがイギリス宇宙局だ。宇宙ゴミ除去技術の開発に取り組む日本の会社「Astroscale」に出資し、これまで宇宙ゴミ回収衛星を軌道上に送り込むプロジェクトを進めていた。そして3月22日、カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から、衛星の打ち上げに成功した。

 

磁石でゴミを吸い付ける

 

宇宙ゴミを回収する衛星「ELSA-d」(End-of-Life Services by Astroscale demonstrationの略)は重量約180kg。電磁石でゴミを吸い付ける方式のもので、これは過去に例がない。

 

基本的なアイディアはシンプルだが、開発したアストロスケールによれば、それほど簡単な話ではないらしい。宇宙ゴミを発見し、それが宇宙ゴミであることを確認し、磁石の部分を対象物に向け、衝突しないようにゆっくり近づく、といったプロセスが必要になるとのこと。これを解説した動画が、YouTubeの公式チャンネルにアップされている。

 

 

今回打ち上げられた「ELSA-d」は、ダミーの宇宙ゴミ(約20kgの箱型のもの)を相手にこの手順を繰り返し、問題なく回収できることを確認する。1年間このテストを繰り返し、問題がなければ、宇宙ゴミ回収の実務に携わる同型の衛星が、続々と打ち上げられることになるだろう。(了)

 

出典元:NewScientist:Satellite that can clean up space junk with a magnet about to launch(3/17)

出典元:Astroscale

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