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脳内にいた寄生虫が死滅していても、発作を起こした米男性の症例

脳内にいた寄生虫が死滅していても、発作を起こした米男性の症例
Wikipedia/DPD

アメリカで、ある男性が数年前に不可解な発作に襲われ、病院での検査により意外な原因が明らかにされた。

 

訳の分からないことを話し始める

 

その男性(39)は、マサチューセッツ州のボストン市に住んでいたが、彼の妻によれば発作が起きた時、真夜中にベッドから落ちていたという。

 

しかも男性は体を激しく震わせ、訳の分からないことを話し始めたため、妻は救急に連絡したそうだ。

 

しかし救急隊員が到着しても、男性は攻撃な態度で方向感覚も失い、救急車へ入ることを拒絶したと言われている。

 

寄生虫による症状

 

その後、ボストン市のマサチューセッツ総合病院へ搬送されたが、そこでもまた別の発作に見舞われた。

 

医師は、発作を抑えるために薬を与え、さまざまな検査を行ったという。そして脳のスキャンを行った時、男性の脳内が膨れ、3つの病変が確認されたそうだ。

 

これらは、「神経条虫症」としても知られている寄生虫感染症の典型的な症状で、やはり発作や頭痛を引き起こし、時には死に至る場合もあると言われている。

 

豚肉になどに寄生し、人体に入る

 

「神経条虫症」は、加熱が不十分な豚肉や、感染した豚肉に含まれるサナダムシ(有鉤条虫:Taenia solium)の卵を摂取することで感染するという。

 

そして体の中で孵化した豚サナダムシの幼虫は、脳を含めて体中を動き回り、やがて包嚢を形成するそうだ。

 

もっともこれらの寄生虫は5年から10年で死んでしまう。しかしその後も、炎症が起きる場合があると言われている。

 

20年前にグアテマラから移住

 

米疾病対策予防センター(CDC)によると、豚サナダムシの感染は、豚が自由に歩き回り、人の排泄物を食べる発展途上国の農村部で最もよく見られるという。

 

そしてアメリカで毎年約1000人が「神経条虫症」で入院しており、そのほとんどがこのサナダムシが多く生息する国に行ったことがある人たちだと言われている。

 

今回の男性患者も、20年ほど前に、この感染症が流行しているグアテマラの農村部からボストンに引っ越してきたそうだ。

 

寄生虫は死んでいたが、脳は損傷したまま

 

ただ今回の例では、すでに寄生虫は死滅していたという。マサチューセッツ総合病院のEdward Ryan医師は、ワシントン・ポスト紙のインタビューで次のように語っている。

 

「この男性の場合、寄生虫が死んで石灰化しており、10~20年の間、脳内に生きた寄生虫がいなかったという点で、少し非典型的でしたが、驚くほど珍しいことではありませんでした。感染はとっくに終わっていましたが、脳の一部が傷ついており、その傷ついた部分が発作につながっていたのです」

 

医師が抗寄生虫薬と抗炎症薬を投与した結果、5日後には男性は病院を退院できたそうだ。また医師はその後3年間、この患者を追跡調査したところ、脳内の最大の病巣は縮小していたという。(了)

 

出典元:Livescience:Dead tapeworm in man’s brain caused him to speak ‘gibberish’ and have seizures(11/18)

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