米で自閉症スペクトラム障害の子供が増加、調査開始以来最も高い割合に


アメリカで自閉症スペクトラム障害の子供が近年、著しく増加しているという報告がもたらされた。

 

11の地域で8歳児におけるASDの割合

 

自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)とは、自閉症やアスペルガー症候群などを統合した診断名とされ、患者には社会的コミュニケーションの困難さや、限定的な反復行動、興味や関心が限定的であるといった特徴が見られるという。

 

そして今回ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院の研究者が、ASD(自閉症スペクトラム障害)に関する米疾病管理予防センターの報告書に調査結果を寄稿した。

 

それによれば全米の11の地域で8歳児を調べた所、ASDの子供の割合は 59人に1人(約1.7%)であることが明らかになったという。

 

これは2年前の2016年に報告された調査結果よりも15%も増加しており、2000年に調査を開始して以来、もっとも高い割合となるそうだ。

 

また従来の調査結果と同様に、女の子よりも男の子が約4倍も多くなっており、その割合は男の子が38人に1人となり、女の子が152人に1人とされている。

 

初回に比べて2倍以上に増えている

 

今回のデータはアリゾナ州やアーカンソー州、コロラド州、ジョージア州、メリーランド州、ミネソタ州、ミズーリ州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、テネシー州、ウィスコンシン州などの11の地域から収集されたという。

 

さらに調査方法も過去10年以上前から行われているものと同じで、今回の報告書は6度目のものになるそうだ。過去5回の結果は以下の通り。

 

2016年報告書(2012年のデータ):68人に1人

2014年報告書(2010年のデータ):68人に1人

2012年報告書(2008年のデータ):88人に1人

2009年報告書(2006年のデータ):110人に1人

2007年報告書(2000年及び2002年のデータ):150人に1人

 

これをみると今回の割合は、2007年の報告の時と比べ2倍以上になっているが、研究者によれば人種間におけるギャップも縮んでいるという。

 

以前は白人の子供が約20%も多かった

 

以前の調査では黒人の子供に比べて、白人の子供は約20%から30%もASDになる割合が高かったそうだ。

 

しかし今回の報告では違いは7%にまで低下しており、加えてASDと診断された子供の約70%がボーダーライン上におり、知能に関しても2012年のデータと比べ、平均または平均より上とされる人の比率が高くなっていたとされている。

 

そもそもASDの症例は1960年代から増加してきたと言われているが、現実にそのような人が増えてきたのかは分からないという。

 

つまり増加の背景には意識の高まりや検診や診断、治療の進歩、さらにASDの行動に関する記録や診断の基準の変化もあると考えられているそうだ。(了)

 

出典元:Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health :U.S. Autism Rate Edges Up in New CDC Report(4/26)