ボストンがレジ袋禁止の条例を制定、プラスチック削減に取り組む新たな都市へ
世界的にプラスチックのゴミによる汚染が深刻化する中、アメリカでスーパーのレジ袋を禁止する新たな街が誕生した。
環境面に良いだけでなく税金の節約にも
その都市とは東海岸にあるマサチューセッツ州のボストン市だ。Good News Networkによればボストン市のMarty Walsh市長は、12月17日に、使い捨てのレジ袋の使用を禁止する条例に署名したという。
この条例は先月、市議会において満場一致で可決されたが、完全に適用されるのは来年の秋からになるそうだ。
署名式においてWalsh市長は次のように述べている。
「もし消費者が買い物をする時に、再利用できるバッグを持ってくるのを忘れた場合、店側はより丈夫で生分解可能なビニール袋か、または紙袋の代金として客に5セント(5.6円)請求できるようになります」
また使い捨てのビニール袋を禁止することは環境面のメリットを拡大させると同時に、市の清掃作業の負担が減ることから、税金を払っている市民もわずかながら節約できるとしている。
メジャーな都市でもすでに同様の条例
アメリカではすでに他の州もビニール袋の利用を禁止しており、最初に同様の条例を制定したのはカリフォルニア州だという。
カリフォルニア州では2014年にビニール袋の利用を禁止しているが、実はそれ以前からロサンゼルス郡やサンフランシスコなど、州内の他のコミュニティにおいて規則を設けていたそうだ。
また現在はポートランドやオレゴン、ノースカロライナ州など、その他のメジャーな都市や地域でも、ビニール袋の利用が禁止されているとか。
日本でも多くの町がレジ袋削減に取り組む
ちなみに日本でも、このような動きは以前からある。JFS(ジャパン・フォー・サステナビリティ)によれば、2001年11月に埼玉県狭山市が全国で初めて「ノーレジ袋デー」を実施したという。
これは市内の店舗に協力を依頼し、ポスター、店内放送、チラシ等で買い物袋持参を呼びかけるというもの。
また2002年3月には、東京都杉並区がレジ袋税の導入を決定。2002年10月には品川区商店街連合会が、レジ袋を1回断るごとにコインが1枚もらえ、集めたコインを区内共通商品券と交換できるしくみを作って、「ノーレジ袋運動」を開始したそうだ。
さらに2007年に入ると、イオン、イズミヤ、東急ストア、イトーヨーカ堂など、スーパーが一部店舗でのレジ袋有料化に踏み切る動きが相次いだとされている。
2013年の段階では、47都道府県では全て、19政令市、41中核市、23特別区では9割近くが、何らかの方法でレジ袋削減の取組を実施しているという。
スーパーのレジ袋を使わないというのは小さなことかもしれないが、世界規模で実施されれば、相当な数が削減できる。少しでも多くの国や地域がこの制度を導入することを願う。(了)
出典元:Good News Network:Another Big US City is Banning Single-Use Plastic Bags(12/18)
出典元:JFS:日本中に広がるレジ袋禁止・マイバッグ持参のうねり(2008/4/1)