イギリス王立造幣局が最新技術でスマホから金銀を回収
イギリス王立造幣局は、カナダのスタートアップ企業「Excir」が開発した新技術を使って、廃棄されたスマホやノートパソコンの回路基盤から金、銀などの貴金属を回収し、再利用する予定だ。
化学薬品が、回路基板から貴金属だけを溶かし出す
Excir社が開発した新技術は、回路基板から99%の貴金属を回収できるという。
具体的な方法はというと、スマホやノートパソコンから取り出した回路基板に特殊な処理を施してから、特別に調合した化学薬品(これは企業秘密になっている)に数分間浸す。すると、その薬品が目的の貴金属だけを溶かし出すというのだ。その後は、薬品に含まれた金属を硬化(析出)させ、インゴットなどに成形する。
王立造幣局によれば、これまでのテストで純度999.9(=99.99%)の金を得られたとのこと。また、同様の方法を応用すれば、金以外にも、銀、銅、パラジウムを回収できるそうだ。
「この技術に秘められた可能性は計り知れません。電気電子機器の廃棄物が環境に及ぼす影響を軽減します。貴重な金属を維持·保存します。さらに、循環型経済の発展を促す新しい技術も、ここから生まれてくるのです」と、王立造幣局のAnne Jessopp長官は言う。
6兆5000億円分の貴金属が廃棄されている
イギリスメディアによれば、世界中で毎年廃棄される電気電子機器は、5000万トンにものぼるそう。その量は増え続けており、このまま行けば、2030年には年間7400万トンになると予想されている。
こうした電気電子機器のうち、リサイクルされているのはわずか20%。計算すると、約570億ドル(約6兆5000億円)分の貴金属が捨てられていることになるそう。
専門家は、現在地上にある金の総量のうち、7%程度が廃棄された電気電子機器の中にあると見積もっている。1トンの電気電子機器には、1トンの金鉱石の100倍の量の金が含まれているとのこと。(了)
出典元:MailOnline:Talk about a gold rush! Royal Mint reveals plans to recycle discarded smartphones and laptops to recover gold, silver and precious metals(10/20)
出典元:The Royal Mint:Turning electronic waste into gold: The Royal Mint brings world first sustainable precious metal technology to the UK
出典元:EXCIR