ロシア国営放送で反戦を訴えた女性、14時間以上も尋問を受け、その後釈放
ロシア国営放送のニュース番組で、戦争反対のプラカードを掲げた女性が当局に拘束されるも、その後釈放された。
ロシア国民に戦争への抗議を呼びかける
国営放送「チャンネル1」の編集者であるマリナ・オフシャニコワさんは、14日夜のニュー番組の生放送中、「戦争反対」と書かれたプラカードを持って、画面に現れた。
その後、テレビ画面は録画映像に切り替わったが、この出来事は世界でも多く報道された。
また彼女は事前に動画を撮影しており、ロシア国民に戦争への抗議を呼びかけ、「何も恐れてはいけません。彼らは私たち全員を投獄することはできないのだから」と訴えた。
しかしテレビで戦争反対を唱えた後、オフシャニコワさんは当局に逮捕され、拘束されてしまう。
14時間以上も尋問され続け、法的支援もなし
BBCによれば、拘束されたオフシャニコワさんはその後、14時間以上も尋問され続け、法的支援も受けられず、2日間も眠れなかったという。
ただ、彼女は無許可で公共イベントを開催したとする容疑に対して、無罪を主張し続けたそうだ。
その後、裁判所で聞き取り調査が行われ、オフシャニコワさんは3万ルーブル(約3万3000円)の罰金を科され、釈放された。弁護士と共に裁判所を後にする際、彼女は記者団に対して、次のように述べている。
「尋問は14時間以上続き、家族や友人と連絡を取ることも許されず、弁護士との面会も拒否されました」
また彼女は今回の反戦行動は1人で思いついたと強調。「それは私の、反戦の決意でした。ロシアが侵略を始めたのを好まなかったから、自分で決めたんです。本当にひどい話です」と英語で語ったという。
まだ現時点では、オフシャニコワさんが今後、さらにより重い罪で起訴されるかどうか、については分かっていない。
Марина Овсянникова в Останкинском районом суде. С ней адвокат Антон Гашинский. pic.twitter.com/b1wPyy4BJ1
— Соболь Любовь (@SobolLubov) March 15, 2022
2人の子供の母親、政治は話さず
「チャンネル1」の同僚たちは、オフシャニコワさんの行動に驚いたという。
またオフシャニコワさんには2人の子どもがおり、それまで政治について話したことはなく、「主に子どもや犬、家のことについて」話していたそうだ。
今回の行動の後、オフシャニコワさんのフェイスブックには、ウクライナ語、ロシア語、英語で数多くのコメントが寄せられ、彼女の行動に感謝する声が届けられたという。
またウクライナのゼレンスキー大統領も「真実を伝えようとすることを止めない、ロシア人らに感謝します」と述べている。(了)
出典元:BBC:Marina Ovsyannikova: Russian journalist tells of 14-hour interrogation(3/15)
出典元:ABC.net:Russian court fines journalist Marina Ovsyannikova after 14 hours of questioning for on-air TV protest(3/16)