【W杯】ツイッターが、有色人種のサッカー選手への誹謗中傷をそのまま放置か?
現在、サッカー・ワールドカップが開催され盛り上がっているが、ツイッター上では有色人種の選手への誹謗中傷ツイートが放置されているという。
有色人種のサッカー選手をターゲット
ヘイトスピーチなどを監視している団体「Center for Countering Digital Hate(CCDH)」の新しい調査によれば、カタールでのワールドカップ開幕の1週間前、ツイッターには99のツイートが人種差別的な内容を含むと報告されていたという。
それらのツイートは、有色人種のサッカー選手をターゲットにしたものだったが、ツイッター側はそのまま放置。ツイッターが削除したのは1件にとどまったそうだ。
それらの誹謗中傷の投稿は、イングランドのマーカス・ラッシュフォード選手や、ブラジル代表のガブリエル・ジェズス選手、ドウグラス・ルイス選手など、他にも多くの有色人種の選手を標的にしていたとか。
投稿は残り、アカウントも停止されず
誹謗中傷ツイートのいくつかには、NGワードが含まれており、猿やバナナの絵文字を載せたものもあったという。
また選手に「よその国に帰れ!」と言ったり、選手の英語の使い方を嘲笑したりするようなツイートもあったそうだ。
これらの人種差別的なツイートは、Twitterに報告されたにもかかわらず、プラットフォーム上に残ることを許され、投稿したアカウントも停止されていない。
ツイッターを買収したイーロン・マスク氏は、コンテンツ監視スタッフのほとんどを解雇したと言われ、ワールドカップ中にツイッターがヘイトスピーチの温床になりうる可能性が指摘されている。
削除されないが、可視性は低下する
一方、マスク氏の計画によると、ツイッターでは、ヘイトスピーチは削除されないが、「可視性」は低下するという。
そしてワールドカップが始まる直前、マスク氏は「ツイッターの新しい方針は言論の自由だが、リーチ(ツイートが届けられること)の自由はない」とツイートしていたそうだ。
つまり、ネガティブでヘイトなツイートは、最大限拡散しないよう(デブースト)、またはそこから金銭的な利益が得られないよう(デマネタイズ)にする方針のようだ。
ただしマスク氏が何をもって「ネガティブ」あるいは「ヘイト」と考えているのかは明らかになっていない。
CCDHのイムラン・アーメドCEOは、投稿主がお金を払い、広告を出してまで憎悪、虐待、偽情報を拡散させようとしていると警告。
METROに対し「憎悪、虐待、嫌がらせの拡散者(投稿者)は、ツイッターのこの最新の決定(言論の自由)から利益を得る唯一の人々でしょう」と述べている。(了)
出典元:METRO:Musk’s Twitter fails to remove racist tweets targeted at World Cup stars(11/25)