コモドドラゴンの鋭い歯は、鉄分でコーティングされていることが判明
インドネシアに生息するコモドドラゴン(オオトカゲ)などの歯が調べられ、意外な結果が明らかにされた。
歯のエナメル質に濃縮された鉄分
この調査を行ったのは、イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンの研究者が率いた研究チームだ。
彼らはコモドドラゴンの歯の先端と、鋸歯状の歯の端が、オレンジ色の色素の層で覆われていることに気づいたという。
そこで研究チームは、高度な画像処理と化学分析、および機械分析技術を駆使して、コモドドラゴンの歯を分析。
その結果、歯のエナメル質に、濃縮された鉄分が含まれていることが判明した。この鉄のコーティングにより、歯が非常に硬く、摩耗に強くなり、獲物を引き裂くのに役立っていると考えられている。
他の爬虫類の歯にも鉄分
また研究チームは、オオトカゲやクロコダイル、アリゲーター、恐竜など、他の多数の現生および絶滅した爬虫類の歯も研究したという。
その結果、他の爬虫類の歯にも同様の鉄分を多く含むコーティングが見られたが、コモドドラゴンの歯が最も顕著だったそうだ。
またコモドドラゴンの湾曲した鋸状の歯は、ティラノサウルス・レックスなどの肉食恐竜の歯に似た形をしているが、恐竜では化石化のためか、鉄分が含まれている証拠を見つけることはできなかったという。
ただし研究者らは、肉食恐竜の歯も鉄のコーティングがされていた可能性があると考えている。
過去には人間が殺されたことも
コモドドラゴンは生きているトカゲの中で最大で、体長は3mを超え、平均体重は80kgにもなるという。
コモドドラゴンはインドネシアのいくつかの島に生息し、小鳥から水牛、他のコモドドラゴンまで、あらゆる獲物を食べると言われている。
そして2007年には、コモド島の子供がコモドドラゴンに襲われて死亡。2年後の2009年にも、同島の果物摘み作業員が木から落ち、2匹のコモドドラゴンに殺されたそうだ。
また2010年には、別のインドネシア人作業員が、コモドドラゴンを殴り、危うく難を逃れたと言われている。(了)
出典元:The Guardian:Komodo dragons have iron-coated teeth, scientists find(7/24)