エチオピアのオオカミが花の蜜をなめる、大型の肉食動物で初めて確認
アフリカのエチオピアで、オオカミが花の蜜を吸っている姿が確認され、先日、その研究結果が発表された。
4日間にわたって追跡
エチオピアオオカミ(Canis simensis)が舐めていたのは、「レッド・ホット・ポーカー(赤熊百合・Kniphofia foliosa)」と呼ばれる花の蜜だ。
過去のフィールド調査で、研究者らはこのオオカミが花をなめているのを時折目撃していたため、この行動をより詳しく研究することにしたという。
研究者らは3つの異なる群れに属す、6匹のエチオピアオオカミを4日間にわたって追跡。ほとんどのオオカミはわずかな花のところにしか訪れなかったが、1匹は1度の食事で20本の花を訪れ、もう1匹は30本の花を訪れたそうだ。
大型の肉食動物では初めて
オオカミは、「レッド・ホット・ポーカー」の最も蜜の多い一番下の部分、成熟した花をなめたという。
もっともこの食事は、オオカミにとって重要な部分を占めているわけではない。恐らくお菓子代わりに、味わっていると考えられている。
しかし花の蜜を吸う大型の肉食動物が確認されたのは、これが初めてになるそうだ。
蜜を舐めたオオカミの鼻先は花粉で覆われたが、まだ彼らが花粉媒介者かどうかは明らかになっていない。
「レッド・ホット・ポーカー」は赤と黄色の花をつけ、昆虫や鳥などの花粉媒介者を引き付ける甘い蜜を生み出すという。
そのためオオカミ以外、人間もこの花の蜜を味わっているそうだ。
研究者らは、今後の研究で、オオカミの食事における蜜の役割を突き止め、オオカミが本当に受粉媒介者であるかどうかを解明することになる、と研究論文に記している。(了)
出典元:Livescience:Wolves in Ethiopia spotted licking ‘red hot poker’ flowers like lollipops(11/22)