モンゴルで発見された化石、T-Rexと近縁関係にある新種の恐竜と判明

かなり以前に発見された恐竜の化石が、再び分析され、新種であることが明らかにされた。
ティラノサウルス科の新種
その化石は1970年代にモンゴルのゴビ砂漠で発見されていたが、地元の古生物学者は当初、エレクトロサウルスと呼ばれる肉食恐竜のものと推定していたという。
しかしカナダにあるカルガリー大学地球エネルギー・環境学部の博士課程の学生、ジャレッド・ヴォリス氏が2023年にモンゴルを訪れた際に、この化石を発見。
その後、再び分析が進められ、この化石が、ティラノサウルス科の新種に属することが判明したそうだ。
これまで見られなかった特徴
ヴォリス氏は、モンゴル中央恐竜博物館のガラスケースの中でこの化石を発見した時、ティラノサウルスの種にはこれまで見られなかった特徴があることに気づいたという。
例えば、頭骨には鼻の近くに空洞があったが、大型の捕食者の頂点に君臨する恐竜は、「完全に固い」鼻の結合部を持つ傾向があるそうだ。
また足指(つま先)の骨が、足の残りの部分にくっついている形も異なっていたという。
そして分析の結果、この化石がティラノサウルス科の新種であると判明し、「カンフールー・モンゴリエンシス(Khankhuuluu mongoliensis)」と名付けられた。
比較的小型で、機敏に走っていた可能性
この新種の恐竜は、「比較的小型」のティラノサウルス類であり、標本の恐竜は体重が約1700ポンド(約770kg)、体長約13フィート(約4m)あったと推定され、機敏に走っていたと考えられている。
研究者らによると、この標本の恐竜は、「ティラノサウルス・レックス」を含む北米原産の「エウティラノサウルス(Eutyrannosaurias)」類の直系の近縁種だったという。
またこの新種は、小型のティラノサウルス類と、体重が最大4.5トンにも達した巨大なティラノサウルスとの間を繋ぐ、「ミッシングリンク(連続性が欠けた部分)」になると考えられている。(了)
出典元:ABC News:New dinosaur species related to T. Rex discovered(6/12)