キリンは単一種ではなかった!遺伝的な違いから4種に分類される

長い間、単一種と考えられてきたキリンが、遺伝的に4つの種類に分けられると認定された。
4種間の遺伝的差異が大きい
この研究を行ってきたのは、キリン保全財団(GCF)とドイツにある「Senckenberg生物多様性・気候研究センター」だ。
彼らの10年に及ぶ研究によれば、「マサイキリン」と「キタキリン」、「アミメキリン」、「ミナミキリン」の4種間の遺伝的差異が、ヒグマとホッキョクグマ間の差異に匹敵するほど大きかったという。
この研究を受け、国際自然保護連合(IUCN)は先日、これらのキリンを遺伝的に異なる4種として認定したそうだ。
1758年に単一の種に分類
実は、キリンは1758年に単一の種に分類されたが、それ以来、変更されてこなかったという。
しかしキリン保全財団(GCF)などの研究には、アフリカ21カ国で収集された数千頭のキリンのDNAサンプルの分析や、最近発表されたキリンの頭蓋骨の形態学的研究が含まれていたそうだ。
そしてこれらの研究結果を受けて、国際自然保護連合(IUCN)の「キリン・オカピ専門家グループ」は今週、キリンの4種を正式に認定した。
アクセル・ヤンケ教授は「250年以上にわたる分類学の歴史を経て、4種の大型哺乳類を新たに記載することは、並外れた成果です」と述べている。
固有のニーズに合わせた保護戦略
実はキリンは、種ごとに異なる脅威に直面しており、また今回の新たな分類により、それぞれの固有のニーズに合わせた保護戦略を立てることができるようになるという。
最も危機に瀕しているのは「キタキリン」で、野生の個体数は6000頭未満にとどまっているそうだ。
一方、ケニア北部に多く生息する「アミメキリン」は約1万6000頭と推定されているが、35年前の推定3万6000頭から50%以上も減少しているという。
タンザニアの国立公園でよく見られる「マサイキリン」の個体数は、約4万5400頭。「ミナミキリン」は比較的安定しており、個体数は約4万9850頭と考えられている。(了)
出典元:ABC News:4 giraffe species officially recognized in major conservation shift(8/21)