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インドネシアを襲った昨年の豪雨により、オランウータンが絶滅の危機に

インドネシアを襲った昨年の豪雨により、オランウータンが絶滅の危機に
Tim Laman

昨年、インドネシアを襲った豪雨により、多くのオランウータンが死亡し、さらに絶滅の危機に瀕しているとする研究が発表された。

 

全個体数の約7%が死亡

 

2025年11月下旬、サイクロン・セニャールがインドネシアのスマトラ島を襲い、4日間にわたる豪雨をもたらし、各地で洪水や大規模な土砂崩れが発生、1000人以上が死亡した。

 

そして今回発表された研究によれば、この最悪の自然災害で、タパヌリオランウータン800頭未満のうち58頭、つまり全個体数の約7%が死亡したと推定されたという。

 

この研究結果は6月10日に発表されたが、7%という数字は控えめなもので、オランウータンの住処となる木々の損傷や、食糧の不足などは考慮されていない。

 

予想の約2倍が死亡

 

野生生物の専門家や自然保護活動家は以前から、サイクロンの後、タパヌリオランウータンの目撃情報が激減したことを指摘。これらの大型類人猿が、洪水や土砂崩れに巻き込まれたのではないかという憶測が広がっていた。

 

また今回の研究論文の著者でもあるエリック・メイジャール教授は、昨年12月にBBCに対し、サイクロン・セニャールによって約35頭のオランウータンが死亡したとみられ、これは「個体数にとって大きな打撃となる」と述べていた。

 

しかし今回、包括的な研究によって、この地域ではそのほぼ2倍の数のオランウータンが死亡したことが明らかになった。

 

年間1%以上の減少でも絶滅の危機

 

そもそもタパヌリオランウータンの場合、年間1%以上の個体数減少が続けば、絶滅する可能性があるという。

 

リバプール・ジョン・ムーア大学の霊長類学者で、今回の研究論文の著者の1人であるセルゲイ・ヴィッチ教授は、次のように説明している。

 

「580頭のうち約58頭が死亡したということは、その地域の個体数の約10~11%、そしてこの種全体の個体数の7%が失われたことを意味します。これは、これらの動物が耐えられる限界をはるかに超えた死亡率です。非常に深刻な事態です」

 

しかも、この地域における極端な降雨の頻度と強度は今後も続く可能性が高く、タパヌリオランウータンの生存とその生息地を脅かすと考えられている。

 

また研究論文の中で、研究者らは「タパヌリオランウータンが直面している危機は、気候変動の不安定性、生物多様性の喪失、そして脆弱性が複合的に作用していることを示しており、脅威の規模に見合った協調的な対応が求められている」と訴えた。

 

そのためにも保護活動の強化、気候変動に対応した計画策定、そして世界的な資金援助と技術支援が必要とされ、それがあれば、まだオランウータンの絶滅を未然に防ぐことができるという。(了)

 

出典元:BBC:Four days of extreme rain killed 7% of world’s rarest orangutans, study says(6/11)

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