コブラの猛毒を無力化する抗体を開発、マウスで高い防御効果を確認

科学者たちが、様々なコブラの毒に対して幅広い防御効果を発揮する、抗体カクテルを開発した。
インドでは毎年約5万人がヘビで死亡
そもそもコブラの毒は、種によって酵素の種類が異なり、それぞれ神経や血液、組織を攻撃するため、統一的な治療法の開発が困難だったという。
またインドだけでも、控えめな推定で毎年約5万人がヘビに咬まれて死亡しており、非常に大きな問題となっていた。
しかし今回、インドとデンマークの科学者たちは、様々なコブラの毒に対して幅広い防御効果を発揮する抗体(抗毒素)カクテルを開発した。
抗体カクテルとは、2種類以上の抗体を混ぜて投与することで、効果を高める薬のことだ。
今回の研究論文の共著者である、デンマーク工科大学のAndreas Laustse氏は、次のように述べている。
「この研究は、地域特有のヘビの病気を引き起こす毒素を標的とすることで、世界のさまざまな地域に合わせて、組換え抗毒素をどのように開発できるかを示す青写真となるものです」
微生物で大量生産も可能
現在、使用されている抗毒素は、馬などの動物に繰り返し免疫を与えることで製造されている。
しかし今回、研究者らはアルパカやラマなどのラクダ科の動物に、インドに生息する様々なコブラの毒を注入したという。
その結果、ラクダ科の動物の血液中に、コブラの毒素を中和できる抗体がすぐに生成されることが判明。さらにこの抗体が、実験室で微生物の細胞を用いて抽出・大量生産できることも明らかになった。
麻痺したマウスでさえ無症状に戻る
そこで研究者らは、様々なコブラの毒素に結合できる、「ナノボディ」と呼ばれる5種類の微小抗体からなるカクテルを開発。それが毒の活性を中和し、毒が体内の標的に結合するのを阻止することが確認されたという。
そしてメガネコブラ(Spectacled cobra)や、モノクルコブラ(Monocled cobra)、2種類のインドキングコブラの毒を注射されたマウスに、この抗体カクテルを投与したところ、死から救うことができたそうだ。
しかもコブラの毒を注射されて30分後でも、この抗体カクテルは、マウスを保護することができたという。
科学誌「Science Translational Medicine」に掲載された研究論文の著者である、Kartik Sunagar氏は、この薬が「唯一の次世代の抗毒素」だとし、次のように述べている。
「麻痺したり、典型的な神経毒性の症状を示したりしたマウスでさえ、完全に無症状の状態に戻りました。今回の研究では、遺伝子操作された抗体を非常に少量用いることで、毒を中和できることを示しました。これは、大量の抗体を投与する際に生じるコストや安全性に関する懸念の一部に対処する上で、潜在的に役立つ可能性があります」
この抗体カクテルの開発は、世界中で数千人の命を救う可能性を秘めた、画期的な成果と考えられている。(了)
出典元:INDEPENDENT:This antivenom cocktail could be game-changer for treating snakebites(9/11)


























