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ニューヨーク市の地盤沈下、最も早く沈んでいる場所を特定

ニューヨーク市の地盤沈下、最も早く沈んでいる場所を特定
flickr_Giuseppe Milo

アメリカのニューヨーク市は現在、少しずつ沈んでいると言われているが、新たな測定方法が試みられた。

 

正確に特定する方法を発見

 

そもそもニューヨーク市は、年間約1.6ミリの速度で沈下していると言われている。

 

そして今回、NASAのジェット推進研究所(JPL)とラトガース大学地球惑星科学科の研究により、ニューヨーク都市圏のどの地域が最も早く沈下しているかを、正確に特定する方法が発見されたという。

 

研究者らは、地表の変動を観測する装置「干渉合成開口レーダー(InSAR)」と、全地球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)を使い、ニューヨーク市の中で最も早く沈下が進んでいる場所を特定した。

 

空港やテニス・スタジアムが早く沈下

 

その調査によると、ニューヨーク市で2016年から2023年にかけて最も急激な地盤変動が発生した地域は、ラガーディア空港と、全米オープンテニスが開催される「アーサー・アッシュ・スタジアム」だったという。

 

両方の施設とも、クイーンズ区にあるが、「アーサー・アッシュ・スタジアム」が建設された時は、地盤が屋根の重量を支え切れないと判断されたため、軽量の布製の屋根が取り付けられたそうだ。

 

また、ニューヨーク市郊外のハイウェイ440号線と、州間高速道路78号線も、周辺地域より速い速度で沈下していることが判明した。

 

氷河性地殻均衡が原因

 

NASA・JPLとカリフォルニア工科大学の博士研究員であるブレット・バザンガ氏によれば、ニューヨーク市の沈下は「氷河性地殻均衡(glacial isostatic adjustment)」と呼ばれる地質学的なプロセスによって起きているという。

 

約2万年前、北アメリカ大陸の北半分は巨大な氷冠に覆われていたが、氷が溶け始めると、地下で抑圧されていた土地が隆起を開始。しかし時が経つにつれて、大地は元の形に戻ろうとし、現在沈下を続けているそうだ。

 

さらに地下の帯水層から水が大量に取り除かれたことも、地盤沈下が進む一因になっている可能性があると言われている。

 

帯水層とは、砂層など水を比較的良く通す地層のことで、一般的に地下水をくみ上げる際に対象となる地層のことを指す。(了)

 

出典元:ABC News:These neighborhoods in New York City are sinking the fastest, according to a new study(9/28)

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