【アカデミー賞】アジア系女性が快挙、初めて監督賞を受賞
4月25日、アメリカでアカデミー賞の授賞式が行われたが、アジア系の女性が初めて監督賞に選ばれた。
映画『ノマドランド』を監督・受賞
その映画監督とはChloé Zhaoさん(39)。彼女は映画『ノマドランド』を監督し、今回監督賞にノミネートされていた。
映画『ノマドランド』は、2017年に出版された作家・Jessica Bruder氏のノンフィクションがもとになっており、ネバダ州に住んでいた女性が地元を離れ、アメリカ中を車に乗りながら旅するストーリー。
そして今回、他の4人の映画監督をおさえ、Zhao監督が監督賞を受賞した。
女性がアカデミーの監督賞に選ばれるのは、Zhao監督で2人目だが、アジア系として、また有色人種の女性としては初めての受賞になる。
中国の北京生まれ、14歳で渡英
Zhao監督は中国の北京で生まれ、14歳の時にイギリスに渡り、ブライトンの街に住んでいたという。その後、渡米し、2010年にはニューヨーク大学ティッシュ芸術学校の社会人映画プログラムに参加したそうだ。
彼女はアカデミーの受賞演説の時、次のように語っている。
「父と私はよくこの遊びをしていました。中国の古典的な詩や文章を暗記して、それを一緒に朗読したり、お互いの文章を完成させたりするのです。その中でも特に印象に残っているのが、『三字経』という作品です。それは『人は生まれながらにして善良である』という言葉で始まります。この6つの文字は、私が子供の頃に大きな影響を受けました。そして、時には反対のことが起こっているように見えるかもしれませんが、今でも心から信じています」
Zhao監督は、2013年のインタビューで中国での暮らしは「うそだらけ」だったと話しており、中国当局は、国内のSNSで『ノマドランド』に関する反応を検閲していると報じられている。
Zhao監督の次の作品はマーベルの『エターナルズ』。今年の11月にアメリカで公開される予定だという。(了)
第93回アカデミー賞の受賞結果は次の通り
作品賞:「ノマドランド」
主演男優賞:アンソニー・ホプキンス「ファーザー」
主演女優賞:フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」
助演男優賞:ダニエル・カルーヤ「ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア」
助演女優賞:ユン・ヨジョン「ミナリ」
監督賞:クロエ・ジャオ「ノマドランド」
国際映画賞:アナザーラウンド(デンマーク)
長編アニメ映画賞:ソウルフル・ワールド
出典元:GMA:Oscars 2021: Chloe Zhao becomes 1st woman of color to win best director for ‘Nomadland’(4/25)
出典元:BBC:米アカデミー賞、「ノマドランド」が3冠 アジア系女性が初の監督賞(4/26)