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手のない息子のために、普通のパパが9つのバイオニックハンドを自作

手のない息子のために、普通のパパが9つのバイオニックハンドを自作
Callum Miller/Google+

手のない10才の息子のために、バイオニックハンド(筋電義手)を9個も自作してしまったイギリスのパパが、海外メディアで話題になっている。

 

18ヶ月も待ちきれず

 

イギリス北部の町、ストックトン=オン=ティーズに住むJamie Miller君は、生まれつき左の手首から先がない。

 

彼が6才になったとき、父親のMillerさんは医者に手術を勧められたという。だがその手術は、足の指を何本か取って手首に移植し、見た目を取り繕うというもの。そんな必要はない、と思ったMillerさんは手術を断った。

 

それから4年後、Jamie君が10才になった2017年、父親のMillerさんは、バイオニックハンド(筋電義手)を3Dプリンターで作ってくれるTeam UnLimitedというチャリティ団体を見つけた。

 

筋電義手とは、腕の筋肉の電気信号をセンサーが感知し、それに従って手指が動くという義手だ。

 

 

ところが、バイオニックハンドの希望者は多くいて、出来上がるまでに18ヶ月待ち。待ちきれなかったMillerさんは、自分で作ってみようと思い立ち、3Dプリンターを購入した。その時彼は「バイオニックハンドについては全く何も分かっていませんでした」と海外メディアに話している。

 

親子で作ったバイオニックハンド

 

自動車部品のセールスマンであるMillerさんは、エンジニアではない。だが、YouTubeのチュートリアルビデオやネット上のフォーラムなどで勉強し、バイオニックハンドを自作した。下にあるのは筋電センサー(Myoセンサー)でモーターを動かすテストの様子だ。

 

 

Millerさんがこれまでに作ったバイオニックハンドは9個。デザインにはどれもJamie君の意見が大幅に取り入れられている。

 

Callum Miller/YouTube

 

中にはバットマンのロゴがあしらわれたものや、LEDフラッシュライトが光るといったものもある。

 

 

デザインは、私とJamieでアイディアを出し合って決めています。でも、主にJamieのアイディアですね。ブロンズとゴルドのスチームパンク風のものもそうです。

 

とMillerさんは言う。現在11才になるJamie君も、そのクールなデザインが気に入っているようだ。メディアの取材を受けてこう話している。

 

何といっても、一目見てかっこいい。パーティーに行ってもライトが目立つし、それでいて派手過ぎないからとてもクールだと思う。

 

障害が自信に変わる

 

「自作のバイオニックハンドは、息子に自信を持たせた」と言うMillerさん。手に障害をもつ他の人たちにも、「かっこいいバイオニックハンド」を勧めている。

 

障害を隠すのではなく、逆にそれを自慢できるくらいになるといいのです。皆んなに見せびらかせる、クールなものを装着できるわけですから。

 

Jamie君のバイオニックハンドは今のところ、腕の曲げ伸ばしに応じて手指が開閉するというシンプルなつくり。Millerさんは性能を向上させて、さらに複雑な動作ができるものを作るつもりでいる。(了)

 

 

出典元:METRO:Dad builds nine bionic arms for son, 10, born without hand using 3D printer(1/5)

出典元:Mail Online:Father of boy, 10, born without a left hand makes his disabled son NINE bionic arms with his own 3D printer(1/1)

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