香港警察、海外にいる活動家の情報提供に対して報奨金を提示
香港の警察は、海外にいる5人の活動家の情報を提供した人物に対し、多額の報奨金を支払うと明らかにした。
約1800万円の報奨金を出すと発表
その5人とは香港の民主派活動家である、Simon Cheng氏とFrances Hui氏、Joey Siu氏、Johnny Fok氏、Tony Choi氏だ。
彼らは今年7月、香港警察により海外へ逃亡した活動家のリストに加えられ、現在アメリカやイギリスなど、さまざまな国を拠点にして活動を続けているという。
また5人は、中国政府によって導入された国家安全維持法に基づき、香港の分離や国家転覆の扇動、外国や外部勢力との共謀などのさまざまな容疑で起訴されているそうだ。
そして今回、香港警察は5人を指名手配し、彼らの逮捕につながる情報に対し、100万香港ドル(約1800万円)の報奨金を支払うと発表した。
国境を越えた抑圧や嫌がらせ
ワシントンD.C.を拠点に活動を続け、アメリカ国籍も取得している女性、Joey Siu氏は「アメリカ国民がこのような令状を発せられたのは初めて」だと指摘。
「民主主義諸国、特にアメリカは、私のような活動家に対するこのような国境を越えた抑圧や嫌がらせ戦術に、率先して対処する必要があると思います」と述べた。
また現在、イギリスに拠点を置くSimon Cheng氏は、SNSの「X」において、次のように投稿した。
「政府が民主主義と自由の追求を犯罪とみなすのであれば、我々は権威に屈せず、社会正義の真の姿を明らかにするために告発を受け入れる」
Being hunted by China (Hong Kong)’s secret police, under a one-million-dollar bounty, is a lifelong honour. If the government deems the quest for democracy and freedom a crime, we embrace the charges to reveal the genuine face of social justice, unyielding to authority. pic.twitter.com/fUfZAnQgdB
— Simon Cheng (@SimonChengUK) December 14, 2023
米・英は香港警察を非難
アメリカの国務省は12月14日、香港警察の措置に対し、「国際規範、民主主義、人権に関して、あからさまに無視している」と非難、記者会見で次のように述べた。
「私たちは、中国政府が科した国家安全維持法を域外に適用しようとする、あらゆる試みを遺憾に思うとともに、アメリカ国内では香港当局に管轄権はなく、民主主義と自由の擁護者たちは、今後も憲法で保障された自由と権利を享受し続けることを改めて強調する」
イギリスのデービッド・キャメロン外相も「私たちは、イギリス国内の個人や地域社会を脅迫し、嫌がらせや危害を加えようとする、外国勢力によるいかなる試みも容認しません。これは私たちの民主主義と基本的人権に対する脅威だ」と声明で述べている。(了)
出典元:The Guardian:Hong Kong puts arrest bounties on five overseas activists including US citizen(12/14)