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トランプ大統領が「ボイス・オブ・アメリカ」を解体へ、予算の削減命令

トランプ大統領が「ボイス・オブ・アメリカ」を解体へ、予算の削減命令
Facebook/Voice of America

アメリカのトランプ大統領は、ある報道機関を非難し、予算を減らす命令書に署名した。

 

連邦政府の資金援助を受けていた

 

その報道機関とは、「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」だ。「VOA」は第二次世界大戦中、ナチスのプロパガンダに対抗するために設立され、現在も主にラジオサービスを展開し、数億人が利用している。

 

ただ「VOA」は、連邦政府の資金援助も受けており、トランプ氏は「反トランプ」かつ「過激」だと非難し、予算を削減する命令に署名したという。

 

ホワイトハウスも声明で、この命令は「納税者が、過激なプロパガンダの犠牲にならないようにするものだ」と述べている。

 

「VOA」のディレクター、マイク・アブラモウィッツ氏は、自身と1300人のスタッフ全員が。有給休暇を与えられたとし、次のように述べた。

 

「この命令によりVOAは、極めて重要な使命を遂行できなくなった。イランや中国、ロシアなどの敵対国が、アメリカの信用を傷つけるため、偽りの物語を作り上げるのに何十億ドルも費やしている今日、この使命は特に重要だ」

 

「USAGM」傘下のメディアも影響

 

トランプ氏の命令は、実は「VOA」の親会社である「アメリカ・グローバルメディア機関(USAGM)」を標的にしているという。

 

「USAGM」は、もともと共産主義に対抗するために設立された「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」や「ラジオ・フリー・アジア」などの非営利団体にも、資金を提供している。

 

米メディアのCBSによれば、「VOA」の従業員は、「USAGM」の人事部長から電子メールで通知を受けとったという。

 

また入手された電子メールには、「ラジオ・フリー・アジア」と「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティ」の幹部に、連邦政府の助成金が打ち切られたことが通知されていたそうだ。

 

アメリカのジャーナリストを代表する団体である「全米記者クラブ」は、この命令が「自由で独立した報道に対する、アメリカの長年の取り組みを損なう」とし、次のように述べた。

 

「ニュースルーム全体が一夜にして閉鎖される可能性があるとしたら、報道の自由の現状について何を物語っているのか?組織全体が少しずつ解体されつつある。これは単なる人事決定ではなく、VOAの独立ジャーナリズムの将来を危うくする根本的な変化だ」

 

「VOA」と「USAGM」傘下の他の放送局は、4億人以上のリスナーを抱えており、BBCワールドサービスとほぼ同等の規模だという。(了)

 

出典元:BBC:Trump moves to close down Voice of America(3/16)

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