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エチオピアの首相が国民に「銃を手に戦うよう」訴えた投稿、FBが削除

エチオピアの首相が国民に「銃を手に戦うよう」訴えた投稿、FBが削除
Twitter/Abiy Ahmed Ali

国民に反政府勢力と戦うよう促した、エチオピアの首相の投稿が、フェイスブックによって削除された。

 

国民に銃を手に取るよう訴える

 

エチオピアでは約1年前から、政府軍と反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(Tigray People’s Liberation Front:TPLF)」との戦闘が続いており、最近反政府勢力が重要な拠点を占領したという。

 

また反政府軍はさらに進軍しており、首都のアジス・アベバにも危機感が広がり、陥落の恐れも出ているそうだ。

 

このためエチオピアのAbiy Ahmed首相は10月31日、国民に向けて「TPLF」の侵攻を食い止めるよう、次のようにフェイスブックに投稿した。

 

「反乱軍の進撃は国を破滅に追いやっている。テロリストのTPLFを阻止し、逆転させ、葬り去るために、あらゆる武器と力をもって合法的な方法で組織化し、進軍せよ」

 

しかしこの投稿は、その後フェイスブックによって削除されることに。

 

ポリシーに違反したとして削除

 

この投稿の削除について、フェイスブックのスポークスマンは次のように述べている。

 

「私たちはエチオピアの首相の投稿には気づいていました。しかし暴力を扇動し、支援することに反対する私たちのポリシーに違反したとして、投稿を削除したのです」

 

実は先月、大量の資料が流出し、エチオピアでは少数民族への暴力を扇動するために、武装勢力がフェイスブックを使っていたことが明らかにされたという。

 

またフェイスブックの内部告発者であるFrances Haugen氏も、米上院の公聴会において、同社が「米国外でのサービスを適切に取り締まっていなかった」ために、エチオピアなどの紛争地域で「文字通り民族的暴力を扇動していた」と告白していた。

 

Ahmed首相は、自由な民主主義の旗印のもとで国家を統合することを約束して当選。エチオピアと隣国・エリトリアの20年ぶりの外交関係の再開や、南スーダンやスーダン国内における和平仲介、国内改革に取り組み、2019年にはノーベル平和賞を受賞している。

 

その一方で、少数民族のティグレ人は、エチオピア政府が民族浄化キャンペーンを行っていると主張してきた。

 

昨年の11月から戦闘が続く

 

エチオピアでの戦闘は昨年の11月4日に、Ahmed首相がティグレ地方の地域軍に対する軍事攻撃を命じたことで勃発。首相は、政府軍の駐留する軍事基地が攻撃されたことを受けてのことだと主張していた。

 

しかしこの1年近くに及ぶ戦闘において、民間人にも多くの犠牲者が出ており、数千人が死亡、数百万人が避難し、数十万人が飢餓状態に直面しているという。

 

また国連人権高等弁務官事務所は、これまで反政府勢力や政府軍側も、民間人への暴力や虐殺、集団レイプを行い、双方の当事者が人道に対する罪に及んだ可能性があるとする報告書を提出している。(了)

 

 

出典元:BBC:Facebook deletes Ethiopia PM’s post that urged citizens to ‘bury’ rebels(11/3)

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