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米議会でロシアをテロ支援国家に指定する動き、ロシアの外交官が警告

米議会でロシアをテロ支援国家に指定する動き、ロシアの外交官が警告
flickr_Rootbwoy Tosh

現在、アメリカの議会ではロシアをテロ支援国家に指定する動きがあるが、これについてロシアの外交官が警告を発した。

 

超党派の議員がテロ支援国家指定を求める

 

アメリカの上院は7月、国務省に対しロシアをテロ支援国家に指定するよう求める決議案を可決した。

 

この決議案には拘束力がないものの、すでに4月にはバイデン政権の高官も、国務省がロシアをテロ支援国家に指定する可能性を検討していると発言している。

 

また先週、超党派の2人の上院議員は、バイデン政権に対し、ウクライナへの侵攻に対応してロシアをテロ支援国家に指定するよう求め、バイデン大統領の支持があろうとなかろうと、指定法案を可決するよう議会に働きかけると語った。

 

政府とは関係なく議会は法案を進める

 

この超党派の上院議員とは、民主党のリチャード・ブルメンタール上院議員と共和党のリンゼー・グラハム上院議員だ。

 

彼らはCNNのインタビューにおいて、テロ支援国家指定は大統領か議会のどちらかが行うべきで、二人ともバイデン大統領がロシアのプーチン大統領への圧力を強め、ウクライナ支援を継続しなければならないと述べたという。

 

その上でグラハム上院議員は、バイデン政権がロシアをテロ支援国家に指定する際に議会と協力することを望むが、それとは関係なく議会は法案を進める「意志」があると述べた。

 

ロシアの外交官が警告

 

このような動きに対し、ロシアの外交官は8月13日、タス通信でのインタビューにおいて、テロ支援国家に指定しないよう警告した。

 

ロシア外務省北米局のアレクサンドル・ダーチエフ局長は、「もしアメリカの議会でロシアをテロ支援国家に指定する法案が可決されれば、それは引き返せない地点を越えることを意味する。これは両国間の外交関係を低下させ、あるいは断絶するなど、もっとも深刻なダメージを与えることになる」と述べている。

 

また「もし、アメリカ政府がロシアの資産を差し押さえる可能性があれば、モスクワとワシントンの二国間関係は完全に破壊される」と警告。その上でダーチエフ局長は、次のように述べた。

 

「我々はアメリカ側に、そのような行為が二国間関係を永久に損なう有害な結果をもたらすことを警告しており、それは彼らの利益にも我々の利益にもならない。アメリカ人はますます紛争の直接の当事者になっている」

 

現在、アメリカによってテロ支援国家に指定されている国は、北朝鮮、イラン、キューバ、シリアとなっている。(了)

 

出典元:CNN:Senators put bipartisan pressure on Biden to designate Russia a state sponsor of terrorism(8/7)

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Moscow warns US over diplomatic ‘point of no return’ – as it happened(8/13)

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