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セクストーションで勝ち組10代少年が自殺。ナイジェリア人ハッカーが罪を認める

セクストーションで勝ち組10代少年が自殺。ナイジェリア人ハッカーが罪を認める
_jordandemay/Instagram

イケメンでフットボールのスター選手。もちろん彼女だっている。そんな勝ち組のティーンネイジャーが、たった一度の送信で自らの命を絶つまで追い込まれてしまった。彼の人生を奪ったのは、見知らぬハッカーから送られた「セクストーション(sextortion)」だ。

 

女性を装ってヌード写真を送らせる

 

米ミシガン州で普通と言うには華やかすぎる高校生活を送っていた、ジョーダン・デメイ君。彼はイケメンの男子高校生で、高校ではフットボール部とバスケットボール部に所属。いずれもスター選手と呼ばれる活躍を見せていた。

 

 

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もちろん彼女だっている。その日も彼女と時間を過ごして家に帰り、Instagramを開いたところだった。

 

 

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彼のもとに届いていたのは、ダニ・ロバーツを名乗る見知らぬ同年代の女性からのDMだ。それは珍しいことではなく、共通のフォロワーがいたことからも、警戒せずにメッセージのやり取りをしていたという。

 

夜が深まるにつれて、ダニは過激なメッセージを送るように。「セクシーなゲームをするのが好き」と語り、ジョーダンに裸の写真を送ったのだ。そしてお返しに、ジョーダンの裸を要求した。ジョーダンはその要求に応え、鏡の前で自撮りした写真を送ってしまった。自分の顔と性器が写ったものだ。

 

セクストーションの内容

 

ダニからの返信は、ジョーダンが想像したものとは違っていた。「あなたのヌードを、あなたの家族や友人に送ることもできます」。そして、彼の高校やチーム名、両親の名前、住所を知っているのだと伝え、金銭を要求してきたのだ。

 

1000ドルの要求に対して、ジョーダンが持っていたのは300ドル。それを全てオンラインで送金し、残高がわかる写真をスクリーンショットで送付した。

 

それでも納得せず、脅迫を続ける相手にジョーダンは「自殺するよ。君のせいだ」とメッセージを送信。そして実際に、拳銃で自らの命を絶ったのだ。

 

逮捕されたのは見知らぬ兄弟

 

ダニと名乗る犯人は、いったい何者なのか。逮捕されたのは、ジョーダンとは面識もない、ナイジェリア出身の兄弟だった。サミュエル・オゴシ(22歳)とサムソン・オゴシ(20歳)の兄弟は、日ごろからSNSをハッキングし、女性を装って主に未成年の男性に近づき金銭を要求する手口で、100件以上の詐欺を働いていたという。

 

4月10日に開かれた裁判で、兄弟はともに有罪を認めている。未成年の性的搾取を計画した罪で、1件ごとに最低15年、最高30年の刑が言い渡される可能性がある。

 

増加するセクストーション被害に対策も

 

こうした10代の男性をターゲットとしたセクストーションの多くは、性的ではなく金銭を目的としているのが特徴だ。FBIによると、2023年3月までの18カ月間で少なくとも20人の未成年者(主に男性)がセクストーションの被害が原因で自殺しているという。

 

Instagramを所有するMeta社は4月11日、セクストーションから10代のユーザーを守るための新たなツールを開発中だと発表している。

 

参考:Bloomberg「Scammers are targeting teenage boys on social media—and driving some to suicide.」(4/15)
参考:Fox News「After Michigan teen’s suicide, Nigerian brothers plead guilty to planning deadly sextortion scheme」(4/11)
参考:Meta「New Tools to Help Protect Against Sextortion and Intimate Image Abuse」(4/11)

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