米・イランとの戦争終結に向けた覚書、内容が明らかに

アメリカの政府高官によって、イランとの戦争終結に向けた覚書(MOU)の内容が読み上げられた。
レバノンを含む全ての戦線で戦闘停止
アメリカの政府高官は6月17日、記者団に対し、イランとの戦争終結に向けた覚書の内容を明らかにした。
その内容によれば、アメリカとイランはそれぞれの同盟国とともに、覚書に署名した時点で、「全ての戦線」における軍事作戦の終結を宣言することに合意するという。アメリカの政府高官は、次のように一文を読み上げた。
「アメリカとイラン・イスラム共和国、そして現在の戦争における両国の同盟国は、この覚書に署名することにより、レバノンを含む全ての戦線における、軍事作戦の即時かつ恒久的な終結を宣言する」
ただし政府高官は、「ヒズボラ」が攻撃してきた場合、イスラエルには反撃する権利を保持すると述べた。
濃縮ウラン備蓄を廃棄することで合意
また覚書(MOU)によると、イランは少なくとも、IAEAの監視下でイラン国内において、「希釈化」(ウランの希釈)により、濃縮ウラン備蓄を「廃棄する」ことを認めたという。覚書には、次のように書かれていた。
「両当事者はまた、最終合意で合意される枠組みに基づき、ウラン濃縮問題およびイラン・イスラム共和国の核ニーズに関連する、その他の相互に合意された事項について協議することに合意した」
ただアメリカの政府高官は、「希釈化は出発点であり、最終目標ではない」と強調。「これは最低限の措置であり、我々はそれ以上の成果を求めていく」と述べた。
凍結資金の返還は「履行」次第
その一方で覚書では、イランが前払い金として、ほとんど何も受け取れないような構成になっているという。ただし、例外が1つあり、アメリカの財務省は覚書の署名と同時に、イラン産原油、石油製品、および関連する銀行サービスに対する制裁免除措置を発令するそうだ。
また覚書には、制裁対象となっている凍結資金の返還について、イラン政権が実際に合意の条項を「履行」することを条件としていることが明記されている。
イラン側は、覚書の署名と同時に凍結資産の即時返還を強く求めていたが、実現しなかったという。
最終合意の交渉のために60日間
この覚書では、双方に最終合意を交渉するための60日間を与え、相互の合意により延長も可能としている。
ただしアメリカ政府高官は、「どちらの側もいつでも交渉から離脱できる」と説明。協議が決裂した場合、アメリカは経済的な圧力を大幅に強化する用意があると語った。
海峡再開に他国の協力は「必要なし」
アメリカのトランプ大統領は17日、G7サミットの記者会見で、イランが覚書を遵守しない場合、攻撃を再開すると述べた。
またトランプ氏は、イラン戦争において「中立」を保ったとして、中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領に感謝の意を表し、次のように語った。
「彼らのおかげで状況ははるかに良くなったので、感謝したい。中国は素晴らしい存在であり、紛争解決のために尽力した」
さらにホルムズ海峡の再開へ向けた取り組みに、フランスやイギリスなどが協力を申し出ていることについて、トランプ大統領は「我々はそれを必要としていない」と発言した。
正式な署名式は19日にスイスのジュネーブで行われる予定とされ、当初はアメリカのバンス副大統領とイランのガリバフ議長が出席する予定だったが、現在はトランプ大統領とイランのペゼシュキヤン大統領の出席が検討されているという。
国家元首による署名は、政治的な重みが格段に増し、アメリカがイランを対等な交渉相手として正式に認めたことになる。(了)
出典元:The Guardian:Middle East crisis live: Iran agrees to destroy enriched uranium stockpile, memorandum read out by US officials says(6/17)
出典元:Aljazeera:Iran war live: Trump says Iran deal avoided global ‘economic catastrophe’(6/17)


























