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仏で燃料税の引き上げにより大規模デモが発生、通りや施設も大変な状態に【動画】

仏で燃料税の引き上げにより大規模デモが発生、通りや施設も大変な状態に【動画】
Twitter/Abdulmonam Eassa

フランス政府に対するデモが過激化し、パリにある多くの建物や施設などがダメージを受けた。

 

3人死亡、400人が逮捕される

 

この抗議活動が起きたきっかけは、フランス政府がディーゼル燃料などの燃料税を引き上げたこと。

 

これにより約2週間前からデモが発生。生活費がより高くなることに不満を抱いた市民らが、パリの街で抗議活動を続けてきたという。

 

そして先週になるとさらにデモは激しさを増し、参加者たちが物を投げ、施設などを破壊。これに対し治安部隊は、催涙ガスや閃光弾、放水銃などを使い対処した。

 

この結果、現在までに3人が死亡。さらに治安部隊の23人を含む、100人以上がケガを負い、400人が逮捕されることに。

 

この混乱した様子はネットにも投稿されており、抗議活動が激しさを増している状況が見て取れる。

 

国家非常事態の宣言を検討か?

 

マクロン大統領は先週の土曜日、シャンゼリゼ大通りと凱旋門を訪問。デモによりダメージを受けた施設を視察したという。

 

Twitter/Titrespresse.com

 

フランスの内務大臣によれば、この抗議活動には約13万6000人が参加し、「黄色いベスト運動」として、パリだけでなく国中に広がっているという。

 

このためマクロン大統領は治安会議を開き、内務大臣や治安維持部隊のトップを招集。国家非常事態を宣言するか検討したと報道されている。(しかし内務大臣は、これを否定している)

 

そもそも抗議活動のきっかけは?

 

マクロン政権は今年、炭化水素油税をディーゼル燃料1リットルあたり0.076ユーロ、ガソリン1リットルあたり0.039ユーロを増やした。これは環境汚染度の少ない自動車と燃料を導入する政策の一環とみられている。

 

そして2019年1月1日から、ディーゼル燃料1リットルあたり0.065ユーロ、ガソリン1リットルあたり0.029ユーロの増税を実施すると決定。これが抗議活動の引き金になったという。

 

この燃料税の引き上げも環境面を考えて実施したと考えられているが、車を使用せざるを得ない地域のことを考慮していないとして、人々が不満を爆発させることに。そして抗議活動は全土に広がり、さらに過激になっていった。

 

月曜日には救急車のドライバーらが社会保障制度改革への不満から、コンコルド広場に終結。議会前の橋を封鎖し、数多くの救急車が延々とサイレンを響かせたと言われている。

 

 

このため野党は燃料税引き上げの完全撤廃を求めており、与党も引き上げの一時延期などを主張しているという。

 

「黄色いベスト運動」の参加者らは政府に対し徹底的に抗議し続けると述べており、燃料税の問題だけでなく、富の不均衡の問題に関しても不満を募らせている。(了)

 

※下の動画は11月26日に公開されたもの。

 

 

出典元:BBC:France fuel protests: Macron holds urgent security meeting(12/3)

出典元:CNN:Hundreds arrested in third weekend of Paris protests against rising fuel prices(12/2)

出典元:euronews:Protesting ambulance drivers call on French government to reconsider reforms(12/3)

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