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「ヨーロッパのアマゾン」世界で初めて5カ国にまたがる自然保護区が誕生

「ヨーロッパのアマゾン」世界で初めて5カ国にまたがる自然保護区が誕生
flickr_Heikki Holstila

先日、ユネスコは世界で初めて、ヨーロッパの5つの国にまたがるエリアを生物圏保護区に指定した。

 

ヨーロッパでも最大の保護区

 

新しい保護区は、オーストリアやスロベニア、クロアチア、ハンガリー、セルビアの一部を含む、700kmに及ぶエリアとされている。

 

この保護区は、これら5つの国を流れるムラ川、ドラバ川、ドナウ川に沿った流域に設定されているという。

 

この生物圏は「ヨーロッパのアマゾン」と呼ばれ、生態系の破壊を抑制する多国間の取り組みとしては世界でも先例のないもので、ヨーロッパ全体でも最大の保護区になるそうだ。

 

膨大な数の動物種を保護

 

生物圏は、ユネスコの保護対象となっており、その地域の生物多様性や氾濫原などの生態系構造が外部による破壊から保護されるという。これは生態系の回復には、欠かせないそうだ。

 

今回の3つの川の生物圏では、氾濫原、森林、砂、砂利の岸、急峻な岸などを保護することになる。またヨーロッパ大陸で最も濃い密度で生息しているオジロワシなど、膨大な数の動物種を保護することにも繋がるという。

 

これらの生物圏がユネスコの指定を受けるために、5カ国は長い間努力を積み重ねてきたそうだ。

 

きっかけは2009年の共同宣言

 

きっかけは2009年、クロアチアとハンガリー政府が、生物圏を保護する共同宣言に署名したこと。

 

その後、2011年には5カ国の環境大臣が、生物圏保存地域を支持する宣言を行い、それぞれの国の河川が生物圏保護区の地位を得たという。

 

2020年にユネスコへ申請を提出後、WWFのプロジェクトコーディネーターであるArno Mohl氏は、次のように語っていた。

 

「関係する5カ国は、自然保護がすべての人の利益のために国境を越えることができることを証明しています。現在の気候危機と大規模な種の絶滅という状況下で、最後の自然地域を保護することは、私たちの生存に関わる問題となっています」

 

EUは生物多様性戦略において、2030年までにEUの陸と海の30%を保護することを約束しているという。(了)

 

出典元:euronews:‘Amazon of Europe’ is first UNESCO biosphere to cover five nations(9/16)

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