【4K動画】深海で撮影されたイカの目が片方だけ異様に大きい理由とは
水深725メートルの深海で、片目だけが異様に大きな奇妙なイカの姿が観測された。その姿がこちらだ。
この巨大な黄色の瞳には、どんな秘密があるのだろうか。
巨大な目の役割
このイカは、ゴマフイカ科のカリフォルニアシラタマイカ。東太平洋の水深200~1000メートルほどのところに生息しているイカだ。英語ではStrawberry Squid(いちごいか)とも呼ばれている。動画では大きく見えるが、実際は外套(内臓の入った頭の部分)の長さが、最大で13センチほどしかない。
巨大な目の黄色のレンズは、薄暗い深海で特定の明かりを捕らえるのに適しており、基本的に上を向き、エビや魚、他のイカといった獲物が動く影を見つけ出すのだという。小さい目も決して退化しているのではなく、下を向いて獲物や捕食者が放つ発光体を探すのに適した構造になっている。
目の大きさが違う奇妙な姿は、深海で生きるために進化した結果だ。
また、この赤い身体にも意味がある。深海では赤い色が見えないため、鯨やイルカ、まぐろなどの捕食者から姿を隠すことができる。
モントレー海溝で撮影
この動画は、Monterey Bay Aquarium Research Institute(MBARI)の Doc Ricketts号が、カリフォルニア州のモントレー湾にある海溝で4Kカメラにて撮影したもの。高画質で撮影することで、細部まで観察することができるのだという。
この動画は3月24日に公開されると、6万回以上再生されている。
参考:MBARI「Strawberry Squid」
参考:全国いか加工工業組合世界イカ類図鑑「カリフォルニアシラタマイカ」