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鼻スプレーの薬がインフル予防に効果、臨床試験で確認

鼻スプレーの薬がインフル予防に効果、臨床試験で確認
X_Shifa News International

薬を鼻に噴霧する方法が、今後インフルエンザの予防のために活用されるかもしれない。

 

ワクチンでは予防効果は中程度

 

そもそも、インフルエンザの蔓延を阻止するための主な手段は、毎年接種するワクチンとされている。これはインフルエンザ・ウイルスに対する抗体を、免疫系に作らせる方法だ。

 

しかし、インフルエンザの株は常に変異しているため、ワクチンの効果は中程度にとどまると言われている。

 

そこでアメリカの製薬会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン」は、いずれの変異株に対しても中和できる、「CR9114」という特殊な抗体を開発。それを鼻スプレーで噴きかけると、インフルエンザの予防に効果があることが確認された。

 

ウイルスの常に変わらない部分を認識

 

「CR9114」と呼ばれる抗体は、ウイルスの他の部分がどのように変異しても、常に変わらない部分を認識し、結合することで機能するという。

 

しかし「CR9114」を最初に動物の血管に投与した際には、インフルエンザに対する強力な予防効果は得られなかったそうだ。

 

実は、インフルエンザ・ウイルスの主な侵入口は鼻とされるが、注射では、この抗体が鼻にまで到達できなかったからだ。

 

様々なインフルエンザの株を中和

 

そこで2022年、「ライデン・ラボ」社は「CR9114」のライセンスを取得し、鼻に噴霧できる製剤を開発した。

 

そしてそれをマウスやオナガザルの鼻に噴霧したところ、A型およびB型などの様々なインフルエンザ・ウイルスや、1933年に酷く流行した時のウイルスでも、発症を防ぐことができたという。

 

さらにその後、18歳から55歳までの143人を対象とした臨床試験も実施。その結果、1日2回の噴霧投与によって被験者の鼻腔内の抗体レベルが一定に維持され、重大な副作用は発生しないことを発見した。

 

またその後、採取された鼻水のサンプルでは、2013年に中国でヒトに感染した鳥インフルエンザ株を含む、様々なインフルエンザ株が中和されていたという。

 

次のステップは、このスプレーを使用した人々を、実際に様々なインフルエンザ・ウイルスに直接曝し、発症を予防できるかどうかを確認することになる。

 

1日2回の投与が必要

 

オーストラリア、メルボルン大学のリンダ・ワキム氏によれば、ウイルスは口など鼻以外の経路からも体内に侵入する可能性があるため、このスプレーは100%効果的ではない可能性があるという。

 

また、このスプレーは1日2回の投与が必要なため、1回の注射ですむインフルエンザ・ワクチンよりも、利便性が低い可能性もあるそうだ。

 

しかし、免疫不全の人や医療従事者など、特定の高リスクグループにとっては、迅速かつ短期的な集団保護が必要となるパンデミックの状況下において、有用であるとも考えられている。(了)

 

出典元:Newscientist:Nasal spray could prevent infections from any flu strain(2/4)

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