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ブルース・リーの死因、49年間の謎を解く科学論文が発表された

ブルース・リーの死因、49年間の謎を解く科学論文が発表された
Wikipedia/ブルース・リー

伝説的な武術家であり、ハリウッド映画のアクションスターとしても有名なブルース・リー。32才という若さで謎の死を遂げて以来、死因について様々な憶測がされていたが、最近、科学的な見地から死因を解明した論文が発表された。

 

鎮痛薬が原因と見られていたが

 

1973年7月、リーは、映画『死亡遊戯』で共演予定の女優、ベティ・ティン・ペイの香港の自宅で頭痛を訴え、Equagesic(エクアジック)という鎮痛剤を飲んだ。ところがその後、昏睡状態に陥り、搬送されたクイーン・エリザベス病院で亡くなった。

 

司法解剖の結果、彼の脳が異常に膨らんでいたことが分かった。また、微量の大麻が検出された。直接的な死因は、脳の膨らみで頭蓋内圧が高まり、脳幹が圧迫されたためと考えられている。

 

問題はなぜ脳がそれほど膨らんだか、ということだが、これには諸説ある。例えば、それまで長年使っていた鎮痛薬(リーは背中に古傷があった)と、死亡した日に服用したEquagesicの副作用ではないかという説。他にも、彼の脳には元から腫瘍があり、鎮痛薬の作用でそれが破裂を起こしたのではないかと主張する人もいる。ちなみに、香港政庁(イギリス統治下)は死因究明のために裁判を開いたが、判決結果は「死因不明」となっている。

 

論文の結論は「水分の摂りすぎ」

 

今回、死因究明に取り組んだ研究者チームは、リーの死に関連する記録を広範囲にわたって調べ直し、「彼が摂っていた多量の水分を、腎臓が処理できなかった」ことが死因であるという結論を出した。

 

専門的に言うと、腎臓が水分を処理し切れずに低ナトリウム血症を起こし、それが脳浮腫(脳に異常な水分が溜まって膨れること)に繋がったというのだ。鎮痛薬ではない。

 

論文の中では、他の様々な可能性が検討され、否定されている。また、彼が低ナトリウム血症であったことを示す多くの証拠も指摘されている。

 

当時のリーは、実際に水分を取りすぎていたらしい。固形物を口にしなくなっており、もっぱら人参ジュースやりんごジュース、酒を飲んでいたという記録や逸話があるそうだ。

 

また死亡した当日、彼は大麻を吸い、水を飲んでから(おそらく低カリウム血症で)頭痛とめまいを感じ、鎮痛薬を飲んだ。ここでも水が関わっている。

 

研究の詳細は論文にまとめられ、医学誌「Clinical Kidney Journal」に掲載されている

 

※科学論文はあくまでも仮説の1つに過ぎず、これで死因が確定したわけではないという点にご留意いただきたい。

 

出典元:Metro:Mystery of Bruce Lee’s death may have finally been solved 49 years later(11/18)

出典元:Wikipedia:ブルース・リー

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