サッカーの元イラン代表選手を治安部隊が逮捕、チームの評判を落とした罪
イランで、サッカーの元代表選手が治安部隊によって逮捕された。
SNS上で訴えてきた元代表
その人物とは、2018年ワールドカップのイラン代表メンバーで、テヘランのサッカークラブ「エステグラル」でキャプテンを務めたこともある、ヴォリア・ガフーリ(Voria Ghafouri)氏(35)だ。
彼はイランのクルド人を擁護し、クルド人を殺すのをやめるよう、度々SNS上で政府に訴えてきたという。
またガフーリ氏は以前、イランの前外相Javad Zarif氏を批判したことで拘束されたことがあるそうだ。
そしてイランの治安部隊は11月24日、ガフーリ氏がイラン(イスラム共和国)に対するプロパガンダを広め、ワールドカップ代表チームを弱体化させようとした罪で逮捕した。
Security forces have arrested #VoriaGhafouri one of Iran’s most popular football players and former member of the national team for his vocal support of protesters, on charges of “propaganda against the regime.” His whereabouts are unknown. #MahsaAmini #IranRevolution #Iran pic.twitter.com/wDdTynVPeb
— Dr. Nina Ansary (@drninaansary) November 24, 2022
容疑は曖昧なまま
ワールドカップでイランチームは先日、イングランドと対戦。「6:2」で負けてしまった。
その試合の前、イランの代表選手は、国内でデモを行っている人々への共感を示すため、国歌を歌うのを拒否した。
このことにガフーリ氏が関わっていたかは分かっておらず、今回の容疑も曖昧なままだ。
Fars通信は、ガフーリ氏が「代表チームの評判を落とし、国家に対するプロパガンダを広めた容疑で拘束された」と伝えているという。
また他の通信社は「サッカー代表チームを侮辱し、破壊する意図を持ち、政権に反対する発言をした罪で起訴された」と報じているそうだ。
Während die westliche Medien sich kaum damit befasst haben, warum das Schweigen der “iranischen” Fußballmannschaft bei WM von Iraner*innen kaum gefeiert wurde, wurde kurdischer Voria Ghafouri festgenommen. Der Fußballer der aus der Mannschaft entlassen wurde, weil er geredet hat pic.twitter.com/I4f2IQmZUy
— Mina Khani (@Khani2Mina) November 24, 2022
政府側はガフーリ氏を、クルド人分離主義者だと非難しているようだが、彼自身は「イランのために命を捧げる」と答えている。ガフーリ氏は最近、ツイッターで次のように投稿していた。
「クルドの人々を殺すのをやめてくれ!!クルド人はイランそのものだ・・・クルド人を殺すことはイランを殺すことと等しい。人を殺すことに無関心なら、あなたはイラン人ではなく、人間ですらない・・・全ての部族はイラン出身だ。人々を殺してはいけない!!」(了)
出典元:The Guardian:Top Iran footballer arrested at club for ‘spreading propaganda against the state’(11/24)