英、独、仏、伊が、イスラエルによる国連レバノン暫定軍への攻撃を非難

X_Arsen Ostrovsky

イスラエル軍は先日、レバノン南部に駐留する国連の平和維持軍を攻撃したが、これについて各国から非難の声が上がっている。

「国際人道法に違反している」

イギリスとドイツ、フランス、イタリアは10月14日、共同声明を発表し、イスラエル軍による国連レバノン暫定軍（UNIFIL）への攻撃は、国際人道法に違反しており、ただちに止めるべきだと訴えた。

また4カ国は共同声明において、レバノン南部においてUNIFILが果たす「重要な安定化の役割」を再確認し、イスラエルと他の当事者は常に平和維持軍の安全を確保する必要があると訴えた。

イスラエルは国連に対し、シーア派武装組織「ヒズボラ」と交戦している同地域から、国連レバノン暫定軍を移動させるよう求めている。

中国やトルコも攻撃を批判

中国の王毅外相も10月14日、イスラエルに対し、国連レバノン暫定軍（UNIFIL）の安全を確保するよう要請するとともに、ガザ地区での即時、完全かつ恒久的な停戦を求めたという。

トルコのエルドアン大統領も、UNIFILへの攻撃を批判。同時に国連の安全保障理事会がイスラエルへの制裁を怠っているとして、テレビ演説において、次のように非難した。

「率直に言って、私たちは安全保障理事会が、イスラエルを阻止するために何を待っているのか自問しています。信じられますか？イスラエルの戦車はUNIFILのゾーンに侵入し、平和維持軍兵士を攻撃し、負傷者も出ているが、国連安全保障理事会はこの犯罪すべてを、スタンドからただ見守ることにしたのです」

9月2日の時点で、92人のトルコの隊員が国連レバノン暫定軍（UNIFIL）に参加し、現地に駐留していると言われている。

レバノン北部で空爆により21人が死亡

レバノン北部では10月14日、イスラエル軍により建物が空爆され、21人が死亡したという。

この空爆でイスラエル軍は、「ヒズボラ」の支配地域から遠く離れた、キリスト教徒が多数を占める村、Aitouを標的にしたそうだ。

レバノン保健省は、死者の体の部位と身元を確認するために、DNA検査を行っていると明らかにした。

At least 18 people killed after an Israeli air attack on a village in northern Lebanon, according to the Lebanese Red Cross. The attack, the first on the area in a year of hostilities, reportedly hit a residential building in the Christian-majority village of Aitou. pic.twitter.com/jFzkMClOdx

— Al Jazeera English (@AJEnglish) October 14, 2024

一方、「ヒズボラ」もイスラエルへの攻撃を続けており、イスラエルのメディア「Haaretz」によれば、14日にはレバノンからイスラエルに向かって、115発のロケット弾が発射されたという。

ガザ地区各地で多数の犠牲者

ガザ地区でもイスラエル軍の攻撃が続いており、14日には中部のヌセイラト難民キャンプにある学校に向けて、激しい砲撃が加えられた。

これにより子供15人を含む、少なくとも22人が死亡し、その他数十人が負傷したそうだ。

砲撃を受けた場所は、多くのパレスチナ人が身を寄せ、避難していた場所であり、子供たちへのポリオワクチン接種の会場として使用されることになっていたという。しかし今回の攻撃で、ワクチン接種が不可能になったそうだ。

また同じくガザ地区中部のDeir al-Balahにあるアル・アクサ病院の敷地近くでも、イスラエル軍の空爆があり、避難していたパレスチナ人を収容する複数のテントが火災を引き起こし、少なくとも4人が死亡したという。

At least four Palestinians have been killed and several were injured in an Israeli air attack on tents housing forcibly displaced people in the yard of Al-Aqsa Martyrs Hospital in Gaza’s Deir el-Balah. pic.twitter.com/jLR3LwTPR2

— Al Jazeera English (@AJEnglish) October 14, 2024