トランプ政権、ウクライナへの軍事支援を一時停止すると発表

アメリカのトランプ政権は3月3日、ウクライナへの軍事支援を一時的に停止すると明らかにした。
輸送中の武器も含め全てを停止
ホワイトハウスの関係者は3日、ロイター通信に対して、ウクライナへの軍事支援を一時的に停止し、(紛争の)解決に貢献しているのかを確認するために、支援を見直していると述べた。
またブルームバーグの報道によれば、航空機や船舶で輸送中またはポーランドの輸送区域で待機中の武器を含め、全てのアメリカ軍の装備品が一時停止されるという。
支援の一時停止は、トランプ大統領がピート・ヘグゼス国防長官に命じたとされており、ウクライナの指導者が誠意を持って平和に取り組んでいる、とトランプ大統領が判断するまで続くそうだ。
ただし、これはあくまでも「一時停止」であり、「永久停止」ではないという。
トランプ氏が憤りを表明
この発表の前、トランプ氏は、ゼレンスキー大統領が発したコメントに対し、強い憤りを表明していた。
ゼレンスキー大統領は、「戦争の終結は、遥かに遠いだろう」と発言。これに対し、トランプ大統領は3日、SNSへの投稿で、次のように述べた。
「これはゼレンスキー氏が言った最悪の発言であり、アメリカはこれ以上我慢することはないだろう!私が言っていたのは、この男はアメリカの支援がある限り、平和を望んでいないということであり、ヨーロッパはゼレンスキー氏との会談で、アメリカなしでは任務を遂行できないと明言した」
またトランプ氏は記者会見で、ゼレンスキー氏が圧力に屈して、アメリカの条件で(停戦の)合意をしない限り、「長くは続かないだろう」とも述べていた。
ロシア側に立つトランプ氏
そもそもトランプ氏は、2016年の大統領選の際にも、ロシア側からの支援を受け、当選したと言われている。FBIの調査でも、ロシアが対抗馬のヒラリー・クリントン氏に関する偽情報を拡散させたことが確認されている。
またトランプ氏は、ロシアがウクライナに侵攻した時から、ウクライナ側を批判しており、ロシアのプーチン大統領を擁護してきた。
そして最近も、「ロシアとの戦争はウクライナが始めた」と主張し、ゼレンスキー氏を「選挙なき独裁者」とまで呼んだ。
3月3日には、トランプ政権がロシアとの関係を修復し、ロシアに対する制裁を解除する計画を策定し始めたと報じられている。
さらに3日には、ピート・ヘグゼス国防長官が、ロシアに対する、アメリカのサイバー攻撃作戦の一時停止を命じたという。(了)
出典元:The Guardian:Donald Trump pauses all US military aid to Ukraine – live(3/5)
出典元:The Guardian:Schumer says cyber operations pause against Russia gives Putin ‘free pass’(3/3)