2億年前から生きていたハリモグラ、インドネシアで生存を確認

すでに絶滅したと考えられていた卵を産む哺乳類が、インドネシアで発見され、研究論文が発表された。
2億年前に地球上に出現したモグラ
その哺乳類とは、長い嘴を持つハリモグラ(Zaglossus attenboroughi)だ。この動物の学名は、著名なイギリスの博物学者、デイビッド・アッテンボロー氏に因んで付けられたという。
このハリモグラの種は、卵を産み、2億年前に地球上に出現したが、すでに現在は絶滅したと考えられてきた。
しかし2023年に、イギリス・オックスフォード大学の研究者が、インドネシアの険しい熱帯雨林、サイクロプス山脈への探検中に、このハリモグラとみられる生物の撮影に成功した。
先月、「NPJ Biodiversity」誌に掲載された論文によると、研究者たちは現代の技術と先住民の知識を組み合わせることで、このハリモグラを発見したという。
60年以上記録されてこなかった
このハリモグラは、60年以上記録されていなかったが、ここ数十年、種の存在を示す証拠が、この地域全域で発見されてきたそうだ。
2007年には、研究チームがサイクロプス山脈で、エサの無脊椎動物を探して地中を掘る、ハリモグラの穴の痕跡を発見したという。
また先住民グループも過去20年間に、このハリモグラの目撃情報を報告していた。
さらに2022年と2023年には、サイクロプス山脈に設置された「カメラトラップ」も、合計110枚の写真を撮影。これらの証拠写真は、研究論文に掲載されたそうだ。

5種の卵生哺乳類のうちの1種
研究者によれば、このハリモグラは、カモノハシと他の2種の現生ハリモグラを含めて、現在、生存するわずか5種の卵生哺乳類のうちの1種だという。
またこのハリモグラは、かつてパプアニューギニアのオエナカ山脈にも生息していたが、現在、記録されているのはサイクロプス山脈のみとされている。
研究論文によると、現在2000種以上の「いわゆる失われた種」、つまり長期間にわたって記録されていない種が存在するという。
しかし研究者らは「この再発見は、特に生物学研究が限られている地域において、他の種が生き残っているという希望を与える」と述べている。(了)
出典元:ABC News:How scientists confirmed the existence of 200-million-year-old species thought to be extinct(6/13)